院長 / つぶやき / 2017.10.12 23:26

なかなか「うん」と言ってもらえないことが多いんですけど。

歯周病は放置すれば全身に悪影響を及ぼします。

これは非常に有名な事実なんで、ご存じの方は多いと思うんですけど
動物の歯の処置に対して消極的な意見が多いのがちょっと残念なんです。

歯石は細菌の塊なんですよ。
その威力は歯肉を溶かすだけではなく
骨まで溶かします。
時に骨を折ってしまうこともあります。

細菌が歯肉の血管から血液中に入り込めば
血流にのって全身に送られます。

最近の研究では歯周病が猫の腎臓病の進行・悪化に関連していることがわかっています。
犬では大動脈弁に菌塊を形成し不整脈を、特に命に関わるような、起こすこともわかっています。

歯石除去だけで済めば費用も抑えられますが
進行した歯周病の治療は費用が掛かってきます。

動物は痛みを隠します。
痛みがあっても相当に我慢します。
特に口の痛み、歯の痛みは食事をとることに支障が出ますが
一生懸命頑張って食べます。
それは「生きるため」だからです。

歯の処置は、歯石除去・ポリッシングだけで済めば大体30分程度ですが
進行した歯周病の処置は1時間以上かかります。
抜いただけでは済まないからです。
これに骨折が加わってきたら、骨の接合をしなければならないこともあります。
ここまで来ると費用もかかりますが、時間も1時間じゃ済みません。

歯の処置に関しても
早期対応が必要なんですよ。
是非積極的になっていただきたいと思います。

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