実は不必要だったりします。
例えば心臓病の検査でNT-proBNPと言う項目があります。
一時心臓病の進行程度を診るに有効だという事で
心臓疾患がある症例でどんどこと検査されました。
いったん「いいよ」となるとなかなか変えられないようで
未だに開業医ではこの検査をオーダーすることが多いようです。
しかし、大学の専門医は「基本的にはやらない」検査となっています。
なぜか?
検査をするには費用が掛かります。
その費用に見合うだけの結果が出るのであればいいんですが
実際にはそうではないという事がすでに明らかになっているからです。
この検査をしなくてもレントゲンやエコー検査で十分状態の確認が出来るというわけです。
ただし、心筋の傷害程度の類推は出来るようなので
それを調べるためであれば有効だそうですが
私は今まで一度もこの検査をしたことがないんですけど
診断するうえでは全く困ったことがありません。
その代りエコー検査の技術を磨いてきましたが
正解だったようです。
またアレルギー検査も少々問題ありです。
そもそも血液検査だけでは原因の特定はできませんから
この検査をもって〇〇アレルギーとは言えません。
免疫系疾患でもなぜこの検査をするんだろうと疑問を持たざるを得ない検査もあります。
他にも色々「無駄だな」と思う検査項目はあります。
それぞれの専門医がいろんな検査方法を紹介しますが
臨床の現場、つまり我々のような立場の者には必要なものがたくさんあります。
研究の目的であるなら「必要」とされているだけなので
臨床の現場では「そこまではいらないよ」と言うわけです。
検査ばかり数を増やすと「木を見て森を見ず」となり
患者(動物)を見ない、触らないで数値・画像ばかりを見てしまい
本質を見逃してしまうことになりようであれば
まさに本末転倒です。
そもそも検査と言うのは「確認作業」であるわけですから
あれこれ検査する前に問題点を頭に整理しておかねばダメです。
これは獣医療だけではなく医療でも同じことです。
病院に行けば検査ばかりする、というところなら
あまり明るい未来はないかもしれませんね。
もっとも「検査してもそれで病気が治るわけじゃない」などと言う輩もいまだにいますけど
こちらはもっと問題外ですね。
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