岡本動物病院

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院長のブログ

病気と薬の組み合わせ

院長 / つぶやき / 2018.2.17 23:33

当たり前ですが、マッチングしていないと良くなることはありません。

マッチングが上手くいかない疾患で一番多いのは皮膚疾患だと思います。

真菌感染であることが「明確」ならば抗真菌薬を使います。
細菌感染であることが「明確」ならば抗生物質を使います。

もしも細菌感染症に抗真菌薬を使っても効果はありませんし
真菌の感染症に抗生物質を使っても効果はありません。

もっと突っ込んで言えば
細菌感染でも感染している種類によって効果のある抗生物質の種類は違ってきます。
例えば皮膚の細菌感染症と膀胱の細菌感染症では感染している細菌の種類が違うという事です。
つまり皮膚の場合と膀胱の場合では使う抗生物質が違うという事になります。
ではそれぞれ感染している細菌を調べるか、という事になりますが
これが出来れば確実な効果を期待できますけど
実際にはあまり行わないです。
ではどうやって使う薬を決めているか、という事になりますが
それは過去のデータを重要視します。
統計的に皮膚感染症で多くみられる細菌であるとか
膀胱感染を起こす細菌は、という事から
第一選択薬を決定します。

最近よくみる、聞くのは肝臓疾患や胆嚢炎の内科治療について
なんだかおかしな薬の組み合わせです。
どういう根拠でその薬を使っているのか
ちょっと理解不能です。

多分教科書を見て薬を決めているんだと思いますが
文章の読み方に問題があるんじゃなかろうかと思ってます。
教科書には使う薬の種類が列挙されていますが
それを全部使えとは書いてないです。
こういう薬を使うこともあるよ、こういう薬もあるよ、と書いてあるんです。
それぞれを一緒に使えとは書かれてないですね。
そもそも肝臓の治療薬なんて有効性が知られているものの数が限られていますし
胆嚢疾患については治療の「目的」によって使う薬が変わってきますから。

獣医師である私が言うのもおかしいかもしれませんが
薬なんて使わなくて済むならそのほうがいいんですよ。
「くすり」はさかさまに読むと「りすく」だから、と言うのは昔から言われていることで
まして効きもしない薬は却って毒なるかもしれません。

よく言うんですけど
薬を使って治療しているつもりでも
効果が見られないのであれば
そもそも診断が間違っているか
使う薬が間違っているか
このいずれかを自ら疑え、という事です。
もちろん病気の中にはなかなか治らないものもありますが
改善傾向が全くないのであれば
何かが間違っているんでしょう。
それを漠然と続けるという事は
すでにそれは「治療」とは言えません。

投薬の種類を決めるのは獣医師の責任です。
ホントに正しい選択だったのかを確認する義務があります。
だから治療経過を確認しなければなりません。
効果がなければすぐに他の方法に変更することも
大事な決断です。

薬を選択する前に、正しい診断が必要なのは言うまでもありません。
診断が違っていれば治療も間違えますから。
ホントにそれが正しいのか?
これを常に自問自答しながら診察と言うのは続けていくものです。

動物の場合は人間と違って治療に対する反応が早いです。
良くなるにせよならないにせよ、経験上数日から1週間程度で結果が出ます。
1か月も行ってようやく効いてきたということはまずありません。

早くよくなれ、と思う気持ちがあれば
たとえ朝令暮改と言われようとも
替える勇気が必要です。

| comments (3) |

コメント

お返事ありがとうございました。

あゆ / 2018.2.20 19:09

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あゆさん こんばんは。

皮膚の問題と血尿は分けて考えた方がいいでしょうね。
皮膚の検査と尿路系検査をそれぞれ行って皮膚症状の原因と血尿の由来を調べるべきだと思いますので病院で相談してみてください。

岡本宏之 / 2018.2.18 20:37

| EMAIL | URL | xGSFfv6g |

はじめまして、先生。
ご意見頂きたいのですが宜しいでしょうか。

腎不全の治療中の猫なのですが、血尿が時々あり、エコー検査をし、
膀胱は以上なく、はっきりはしないが糸球体腎炎かもしれないとの事でした。
腎不全の診断の前に膀胱炎かもと抗生物質を一週間程飲んでおりました。
その時から鼻の頭が茶色く汚れており、現在は毛が抜けて生えておりません。
ネットで調べたところ、真菌症の猫ちゃんの鼻と似ていたのでもしかしてと思っておりましたところ、先生のブログを拝見できたので、ご意見頂きたいなと思いました。

真菌症からの膀胱炎は鼻にも症状がでますでょうか?

まとまりのない文章で申\し訳ございませんが、宜しければご回答お願い致します。

あゆ / 2018.2.18 18:53

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