春になるとこういうキャンペーンが多いみたいですね
知り合いの獣医のところでも「春になったので健康診断を・・・」って
ポスターを作ってるって言ってました。
春になったから、と言うのに何が理由があるんかい?と思いますけどね。
まあ、狂犬病予防やらフィラリア予防やらとかけて
「ついでに」と言うことらしいです。
ついでに、で行う健康診断ってどんなことをするんだろう?と不思議だったので
聞いてみたところ「血液検査」との回答。
血液検査自体を否定はしませんけど、これをもって「健康かどうかの診断」と言うには
ちょっと、いやかなり無理があります。
血液検査はルーチンなものとして行われますね。
法人の場合、社員の健康診断と言うのが義務付けられています。
会社で行う云々ってやつです。
どういうことをしているのか詳細は知りませんが
身長・体重・血圧測定に血液検査って感じでしょうか。
これを行ってもしも異常があれば、改めて病院に行って詳しく見てもらえってことだと思います。
ただこれで『異常なし』と言われると安心するでしょう?
でも異常なし=健康とは誰も言ってないんだよってことを自覚しておかねばなりません。
よく聞く話です。
『会社の健康診断で異常なしと言われてた人が半年後に癌で亡くなった』ってのを。
ウチの父親がまさにそうでした。
血液検査の項目で腫瘍マーカーが入っていたなら
また違う結果になったでしょうけど
会社の健康診断と言うレベルでは費用がかかりすぎてそこまでの詳しいことはしないでしょう。
動物の場合も同じです。
同じ・・・いや 人間よりもことは重大かもしれません。
例えば当院で行う血液検査も時と場合によって項目が違います。
血球検査だけ、と言うときもありますし検診では化学検査も行います。
でも血液検査ではわからない病気と言うのがたくさんあります。
というより血液検査でわかる病気の方が少ないかもしれません。
例えば膀胱炎。
これは血液検査ではなかなかわかりません。
尿検査をすれば一発でわかります。
例えば気管支炎。
これもレントゲン検査が必要です。
例を挙げるときりがないですが・・・
「ついで」とはいえ血液検査を1年に1回実施と言うのは無駄ではなく
有意義だと思います。
しかしこれで異常がなかったから大丈夫、体に異常がないと思い込まないでください。
血液検査で異常なし、と言うのは「異常値が出てない」と言うだけです。
逆に異常値があったら=病気、と言うのも間違いです。
異常値というのは正常値ではないもの、です。
正常値=正常ではないと言うことです。
一番難しいのは「肝臓」です。
『血液検査で肝臓が悪いと言われた』
これもよくある話ですが
肝臓の数値と言われている項目が肝臓の何を表しているか、と言うところを
獣医師は読み取って飼い主さんに説明しないといけませんが
私なら血液検査だけで「肝臓が悪い」とか「肝臓に異常がある」なんてのは
口が裂けても言いません。
というより「言えません」と言うほうが正しいです。
血液検査の結果、肝臓が悪いですから薬を飲ませましょう、と言うのも
おかしな話になるんですよ。
ちなみに・・・
肝臓の薬ってどれぐらい種類があるかと言いますと
ものすごく少ないです。
獣医領域で使用されるのはせいぜい2〜3種類です。
しかもそれが効果があるか?と言うと・・・・これまたなんともかんとも・・・です。
大抵は薬を飲ませて、その後再々と血液検査を繰り返し
異常値である限り延々と投薬を続けると言うパターンが多いようです。
結論から言えば異常値が改善していないわけですから
「治ってない?」と考えるのが普通でしょう。
それぞれの症例によって違いますから一概には言えませんが
薬を飲ませていると肝臓の数値が下がらないどころか
「上がる」と言うことも多々ありますよ、と。
薬のせいで数値が上がっているということもあるんです。
健康診断とは「健康であるかどうかを確認する作業」と私は思ってますので
「ついでに」とか「血液けんさだけ」と言うのは、少なくとも私には出来ません。
こちらの言うことにはそれなりに重みがあるはずですから
病気ですとか健康です、というのにはそれなりの根拠が必要です。
その結論を出すにはもっとデータがないと無理だと思ってます。
血液検査については「それなり」のものと思っておいて
それだけで水戸黄門様の印籠とは思わないほうがいいでしょうね。
| comments (6) |
関根さん こんにちは。
個々のコメント欄は文字数の制限がありますので文章が入りきりません。
咳の原因についてのご相談で、いくつか思い浮かぶことがあります。
もしも差し支えなければこのHPのトップページから「お問い合わせ」をクリックしていただけませんでしょうか。
個別の相談についてはそちらでやり取りをしていますので。
岡本宏之 / 2018.4.30 12:48
| EMAIL | URL | xGSFfv6g |
。1日2食、食事を用意している時に床を舐める。図々しく聞いてしまい本当にすみません。今、掛かりつけにしている先生は、何軒か行った病院の中で一番原因を考えて下さる先生です。ですが、咳の原因は、わからず。ネットで調べてもコレと思う原因がなく、咳の原因?もしかして同じなのかもと思いました。長文にて本当に本当にすみません。
関根 / 2018.4.30 11:28
| EMAIL | URL | QJvz9swE |
先生の他のつぶやきで気管虚脱にアンチノールかモエギキャップの効果が書かれていたので、サプリだし副作用の心配はないかと思い試しにモエギキャップを与えて見たら、3日目で咳の軽減。気管虚脱だったの?と思いながら効果があったので継続しようとは思っているのですが、もしお聞きできるのであれば先生の治療はどんなんだったのだろうと。現在1ヶ月以内の状況。3月血液検査の結果ALP1289意外の項目参考値以内総胆汁酸参考値以内。1年前に胆泥確認ウルソ\の処方は無し現在胆泥は、薄っすら白くある程度一年前より改善している。食事低脂肪食薬の服用なし。サプリは、ベジタブルサポート肝臓用とモエギキャップ。咳が出始めた頃か定かではないですが、気になる癖があります。1日2食、食事を用意している時に床を舐める
関根 / 2018.4.30 11:24
| EMAIL | URL | QJvz9swE |
おはようございます。ご返信頂きありがとうございました。先生の過去のつぶやきを拝見させて頂いた内容にお聞きしたい事がありました。2017年11月14日咳の原因について、今年12才になるトイプードルの仔が、1年前位から空気を吐き出す様な咳をしだしました。その時は、気管支拡張剤を処方して頂きましたが、改善効果なし。お風呂上がりの湿度の高い所で呼吸をさせるといいよ。というアドバイス。特に効果無し。心臓疾患の仔がいるので咳の違いはわかるので心臓ではないとは思っていて、でも素人判断はと思い最近また別の病院に掛かったら、レントゲンなどを含む検査をしていただきましたが、心臓でも気管虚脱でも気管支炎でもないと、原因わからずで薬の処方は無し。先生の他のつぶやきで気管虚脱にアンチノールかモエ
関根 / 2018.4.30 11:19
| EMAIL | URL | QJvz9swE |
関根さん こんばんは。
健康診断のメニューについては人の方の「人間ドッグ」をイメージしてもらうのが一番いいかなと思ってますので、当院では初めての方にはそのように説明をしています。
私が特別ではないと思いますから、こんな発想の獣医師はたくさんいると思いますよ。そういう病院を抑えておくといいですね。
岡本宏之 / 2018.4.29 23:14
| EMAIL | URL | xGSFfv6g |
健康診断で血液検査だけでは何の安心もありません。血液検査だけの病院は、意外に多く正常値だから健康と思う飼い主さんも多いいと思います。埼玉県でトリミングサロンをしています。お客様のワンちゃんで毎年血液検査はしていたのに胆嚢が悪くなっていたのは、わからなかっと・・・。
私も血液検査だけの健康診断をしていたので心配に思って我が仔を別の病院で健康診断をしたら、心臓肥大に気管虚脱も見つかり胆泥、健康とばかり思っていたのでビックリしました。全くではないかもですが結果病気を見落とす血液検査だけの健康診断の意味ってと思っていた所に先生のブログ。島根県在住なら先生の所を掛かり付けの病院にしたいですが、残念です。
関根 / 2018.4.29 01:42
| EMAIL | URL | QJvz9swE |
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