院長 / つぶやき / 2018.4.14 23:01

様々な脅威がそこにやってきています。
と言うとちょっとホラーですか？

北海道の方ならご存知だと思いますが
「エキノコックス」がいよいよ本土に上陸しているのが間違いなさそうです。

数年前に愛知県の野犬で最初の感染報告例がありました。
その後の話が伝わっていませんでしたので
たまたまの症例かと思ってましたが（かなり無理のある納得ですけど）
今年に入り再び愛知県で複数の症例報告がありました。
今のところ知多半島に集中しているようですが
感染事例が野犬ですので行動範囲は相当広いと思われます。
また糞便中に感染虫卵を排出しますので
感染拡大が抑えられるか心配です。
そもそもどうして日本の真ん中の愛知県で見つかったのか。
ここが一番の問題だと思います。
常識的に考えれば北海道から青函トンネルを伝って東北へ入り
それから愛知県へ、となると思いますが
今のところ愛知県以外での報告がないようなので
東北・関東・もしくは北信越などは大丈夫なんだろうかと思います。

北海道にいる友人に聞いてみたんですが
エキノコックス感染キツネはそう多くない様なんです。
もちろん人への感染に関しても北海道では周知されていると思いますので
昔のようなことはないと思いますが、本州の人はエキノコックスについて
ほとんどの人が知らないと思います。
湧水を汲んだりや山へ入る人などはホントに注意が必要ですよ。

エキノコックス以外では鳥インフルエンザです。
先日兵庫県でカラスの集団死亡例が報告されました。
全てを検査したわけではないようですが死亡例の中から
鳥インフルエンザが検出されたという事です。
これの何が問題か、と言うと今迄は水鳥などの渡り鳥が
インフルエンザを国内に持ち込んでニワトリなどへ感染させていたわけですが
今回はカラスですので陸鳥です。
カラスも渡り鳥から感染したのだろうと思いますが
その数が１００羽以上ということですから尋常じゃありません。
インフルエンザの国内流入は防ぐことが出来ません。
何しろ野鳥が持ち込んでくるわけですので
検疫などはないんですからフリーパスです。
そして一番厄介なのは突然変異を簡単に起こすウイルスであることです。
いつ人への感染そして病原性を発揮するかハラハラします。

こういう時の行政の対応は
「直ちに人への感染があるわけじゃないから大騒ぎするな」です。

これって真に受けていいんでしょうか？
ダニ由来感染症のSFTSが野良猫から人へ感染報告があった際も
上記のような文書が私の所へ届きました。
それには「いたずらに飼い主を恐らかすな」とまで書かれてました。
これは大間違いですよ。
人への感染が成立している現状をもっと周知させなければならないでしょう。
ダニの感染を防ぐように徹底して指導するべきなんです。
その猫の件のあとすぐに飼い犬から飼い主が感染したというニュースがありましたね。
その時にはさすがに行政から文書は来ませんでしたよ。
ヤバいと思ったんじゃないでしょうかね。

飼い犬から飼い主が感染したというのは大きな事件だと思います。
どうやって感染したのかを想像したらちょっと怖いですよ。
SFTSも動物から人への感染をするというのが事実のようですから
飼い主さんに対して、犬猫のダニ予防を徹底しましょう、と言うべきなんです。
そうしないと犬猫などの動物のみならず「あなたの身も危ない」わけですから。

自然界からの脅威がすぐそばに来ていると言っても過言ではないようです。
どうやってこれらから身を守るのかは正しい知識を持つ以外にはありません。
それを行政指導でどんどんと公表してもらいたいものです。
事が起こってから重い腰を上げてるようじゃ手遅れになりますから。

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