岡本動物病院

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院長のブログ

術後検査・検診

院長 / つぶやき / 2018.6.5 10:18

とても大事なことなんですけどね。

特に腫瘍切除手術の術後検査はとても大事です。
手術で取りきれているという病理結果が出たとしても
ミクロのレベルではそれはわからないことなので
万一転移があるかも、と言うことで検査は必要なのです。

特に腫瘍が『悪性度の高いもの』と言う結果であった場合
摘出後の転移や再発は珍しいことではありません。

例えば・・・
猫の乳腺腫瘍では90%の確率で『悪性』です。
これまでの経験上「小豆粒の大きさ」であれば完全切除は可能で
「大豆粒の大きさ」であればほぼ転移があります。
つまり乳癌であるわけですが、転移は人間と同様で
リンパ節・肝臓・肺などへ進んでいきますが
肺転移が見られた場合には余命宣告が必要となることが多く
「手術したから終わり」とは行かないわけです。

例えば・・・
悪性黒色腫(メラノーマ)は極めて悪性度の高い腫瘍で
動物では口腔内に出来ることが多いんですが
転移速度が速いのが特徴だと思います。
要するに「あっという間に」転移します。
手術前にメラノーマが疑われていれば胸のレントゲン検査を行いますが
病理検査の結果メラノーマであるということが判明することが多いので
結果を見ると「やばいな」と思います。

例えば・・・
これは腫瘍ではないですが、骨折手術の場合にも
手術のあとの来院が無い場合も多いんです。
ちゃんと骨がくっついているか確認しないといけないんですけど
来院がない、と言うことはその確認は出来ないわけです。
『ちゃんと歩いているからいいじゃん』と思ってるのかもしれませんが
人間の場合にはわずか数ミリずれて癒合したらずっと痛みが残るらしいんですが
動物の場合には人間とは違って痛みを訴えません。
しかしずれて癒合していればその分負荷は掛かるわけですから
後々トラブルも起こる可能性があるわけですし
プレート装着の場合には数年後に骨融解が起こることもあります。
理想的には固定に使った金属製品は回収するのがいいんですが
これまで手術を行った事例で術後除去したのは1割にも満たないですね。
それでも数年たってから「足がおかしい」とつれてきてもらえば
処置が出来ますけどね。
こういう処置は骨折手術の出来る獣医師で無いと適切な処置は出来ません。
単に鎮痛剤だけなんてことではどうにもならないんです。

他院で手術を受けたと言う場合には、どういう手術をしたのか
具体的なことがわからないので想像するしかないんです。
例えば縫合糸1つとってもいろんな種類があるので
同一の縫合糸を使っていると言う可能性は極めて低くなるんです。
それでも手術記録をとっている病院であれば縫合糸に何を使ったか
確認してもらうことは出来るでしょうけど、残念ながら手術記録を
きちんととっている病院は少ないようです。


手術をした後のチェックやフォローは
手術した病院で行うのが一番だと思います。
術後検査をきちんと行うことで
ホントの意味で「手術をした」と言えるのではないでしょうか。

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