何となくそう聞こえたような気がします。
数年前までは毎年来院がありましたが
それ以降は姿を見なくなっていました。
そして久しぶりに来院されましたが
一見して異常がわかりました。
飼い主さんの話を聞きながらも患部から目が離れませんでした。
こちらの思っている通りかどうか確認するために検査をしました。
その結果、予想以上のものがあり
結論としては「何も出来ない」でした。
これからの事について、飼い主さんと話をして
診察が終わりとなって、さあ帰ろうかとなった時
リードにつながれた犬がこちらに歩いてきました。
今までは診察が終わると一目散に出口に向かって走って行ったことしかしなかったのに。
ゆっくりとこちらに歩いてきて私の前で立ち止まりました。
体を撫でて喉を撫でてそして頭を撫でて
その間じっと動かずになすがままになっていました。
元気なころを思い出すと、身体に触ることなんてのが
なかなか大変だった犬です。
そして「じゃあね」と言ったんですが
すぐには立ち去ろうとせずリードを引っ張られて
ようやく帰っていきました。
学術的には残された時間はほとんどないはずですからもう顔を見ることはないでしょう。
最初で最後の挨拶だったような気がします。
『ばいばい』
| comments (2) |
飼い主さんの方にも都合が色々あったことだろうと思います。
我々の仕事は病院内だけですが、出来れば最後までというのが理想なのです。
今はただ、楽に逝けることを願うだけですね。
岡本宏之 / 2018.7.6 08:51
| EMAIL | URL | bvQ4VQe. |
先生こんにちは
とても切ないお話ですね
本人ワンちゃんも最後に先生に診てもらえて
嬉しかったのではないでしょうか
家族でやっぱり定期的に病院に連れて行くのがいいよねと話しました
とりあえずこのお話を自宅で読んでて良かったです(T-T)(涙)
人様にお見せ出来ない顔になってました💦
改めて獣医師の仕事は命と向き合う大変なお仕事なんですね
トム / 2018.7.5 16:22
| EMAIL | URL | yTo6sGYg |