久しぶりに聞いたので・・・
飼い主さんが言うのはわかります。
「この薬はきついですか?」
しかし獣医が
「この薬はきついから」
これはいただけませんね。
ココで言う「きつい」と言うのはよくわかんないんですが
多分・・・「副作用」のことかな?と想像してます。
副作用が出やすいとか副作用が出るとダメージが大きいとか
そういうことなんだろうなぁとおもいますが
日本語は正しく使うべきかと思いますので
興味のある方は覚えておいてください。
副作用・・・ではなく正しくは「副反応」と言います。
これはその薬の「主たる作用」以外のものを
すべて指しています。
なので必ずしも体に悪いことばかりじゃないんですよ。
例えばインターキャットと言う注射薬があります。
通常はウイルス感染症の際に使い免疫力をあげる効果を期待します。
この薬の副反応・・・あります。
そもそも論ですが薬にはすべからく主作用以外の効果があります。
インターキャットの副反応として有名なのは
1:食欲増進効果
2:造血効果
これって体に「良い」作用ですね。
副反応が体にダメージを与えるものとして
一番有名なのは「抗癌剤」でしょう。
ただ抗癌剤というのは癌細胞を殺す薬ですから
考え方としては「毒をもって毒を制す」と言うものです。
また抗癌剤が効果を発揮する場所と言うのが決まっていまして
細胞分裂が活発な臓器となっています。
癌細胞自体が細胞分裂が活発ですから当然効果を発揮しますが
体には正常で「細胞分裂が活発な場所」と言うのがありますので
そこにも抗癌剤は効果を発揮してしまうわけです。
例えば、卵巣・睾丸・消化管粘膜などですね。
ついでに、先日ノーベル賞を受賞された方の開発された薬は
癌細胞に対する免疫治療ですので従来の抗癌剤とは作用機序が違います。
だから上記のような副反応は見られない、と言うことのようですね。
と言うことで、抗癌剤の副反応による有害作用は治療上「やむをえない」のです。
抗癌剤以外で有害副反応が問題になるのは免疫抑制剤でしょうか。
これは免疫力を力技で押さえ込むわけですけど
ちょうどいい加減と言うことができませんので
効き過ぎた場合には感染症を起こすことがあります。
一般的に使われる抗生物質とか血圧調整剤などでは
人間ほど有害作用はあまり出ません。
これは動物と言うのはそもそも「薬が効きにくい」生き物だからです。
それゆえ例えば抗生物質など人間なら3日間投与でも十分効果的ですが
動物ではもっと長く投与しなければならないわけです。
根拠があっての処方ですから
きついとかゆるいとか気にしないでください。
仮に獣医がそれを口にした場合には
ネットで調べてみてください。
いやそれはそれで間違いが書いてあったりしますねぇ・・・
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