院長 / つぶやき / 2018.10.25 22:13

あまり鵜呑みにしない方がよろしいかと。

私自身はネットで情報収集するか、と言うと

「します」

しかしそれはそれ専門サイトからだけで
いわゆる「掲示板」からではありません。

ネタ元が明確なものしか信用できませんから。

どこの誰だかわからないのに
その人の書いたことをまるっと信用するってのは
私の中の常識にはないんです。

例えば電話で「お父さん　俺だけど」と掛かってきても
「俺って誰だよ」と返します。
だってウチの息子は二人とも「俺だけど」と
私に向かっては言いませんから。

それはよしとして・・・
病気のことを調べるとすると
まずは手元のテキストを調べます。
しかしこのテキストもあてにならないこともあるんです。
先日ノーベル賞を受賞された方も仰ってましたが
論文と言えども90％は間違っている、と。
それは確かにわかります。
だから1つの論文だけを読んでまるっと信用するという事もしません。

以前こんなことがありました。
初めて行う骨折整復手術で
どこからアプローチすればいいかな、と
アメリカの書籍の日本語翻訳本をとって調べました。
その本に書かれてる方法が1つ頭に入れて
以前整形外科セミナーでこの部位のアプローチ方法について
「アメリカ人の本はあてにならん」と講師の先生が話していたのを思い出し
その先生の書かれたテキストを引っ張り出して
そちらのアプローチ方法を1つ頭に入れました。
両者を比べるとアメリカ式の方が「やりやすそう」に感じましたので
まずはそちらでやってみました。
結果、無残でした。
まったく「使えない」方法でした。
というよりこの方法で出来るわけがない、とも思いました。
きっとこれを書いた人は「やったことないな」としか思えませんでした。
それで第二の方法に思い切って切り替えてみると
あっという間に骨にアプローチ出来てさっさと手術は終わりました。

色んな所から情報を集めて、その中で
もっとも多い意見の物、これが多分正解に近いんでしょう。
たった一つの情報ですべて、と言うわけにはいかないですね。

私の場合、仕事に関する事柄は非常に専門的なことですから
少々の知識のある人の意見では満足できないことが圧倒的です。
少なくとも私よりも知識が豊富で経験も豊富でないと
私の知りたい答えを出してはくれないです。
だから「徹底的」に調べないとダメなんです。

情報は正しくないとただのゴミです。
ネット上にある様々な事柄のうち真実はどれほどあるんでしょうね。
噂話などは私の眼には止まりません。
「・・・らしいですよ」と書かれていたらその時点で「却下」です。
断定できない、それだけの裏付けがないなら
最初から書き込むな、とも思います。
曖昧な情報がデマとなり世界中を席巻するというのが
楽しいのかもしれませんが、悪趣味ですね。

何が正しいのかを見極める眼力を持たないとダメとは言いますけど
少なくとも動物に関してはかかりつけの獣医師に
まずは相談してみたらいいのにな、と思います。
それで満足いく情報が得られないなら
他の獣医師に聞いてみればいいと思います。
私の所にも色々と相談メールが届きますけど
私はこれを「ネット上のセカンドオピニオン」と思ってます。

インターネットは上手に使ってこそ価値がある、そんなもんじゃないですかねぇ。

| comments (2) |