そうは言っても現実はどうですか。
人間の場合、一生涯の中で全身麻酔を受ける機会はそうそうないと思いますが
動物の場合は結構多いですよ。
例えば避妊・去勢手術。
多くの方が実施されていると思いますが
この手術は動物病院で最も多い件数の手術であり
当然の事ですが全身麻酔で行いますよ。
例えば歯処置。
中には麻酔をせずに歯石をがりがりとることをしているところもあるようですが
きちんと正しく行うには麻酔は必須です。
これ以外でも手術を受ける機会は人間よりも相当多いことは容易に想像できますでしょ。
全身麻酔は危険、と言うことが世の中に浸透しているようですが
麻酔は外科手術と同様、技術が必要なものである、と声を大にして言っておきましょう。
外科手術の上手下手は技術の問題であると言うことは当然ですが
上手な人は、手術の前提である麻酔についても上手です。
上手と言うより知識が豊富と言う方が正しいでしょう。
手術には色んな状況があるわけで
全身状態がよくない、高齢である、併発症があるなどなど
しかしどんな状況であっても手術が治療上必要であるとなれば
麻酔はかけなければならないわけです。
例えば、最近はめっきり少なくなりましたが
フィラリアの手術の場合
当然全身状態は悪いです。というより最悪です。
そんな場合に、健康体で行う不妊手術と同じ段取りで
麻酔をかけるわけがないですね。
前投薬の種類や量。
麻酔薬の投与量。
手術にかかる時間の調整。
色んな状況に応じて使い分けをする必要があるので
麻酔は技術だと言うんです。
だから単に嫌と言うのはやめて
情報を収集してみてください。
手術をしないと助からない、治らないと言う状態にいつなるかわかりません。
そうなった時にも麻酔は嫌とは言えないですね。
最後は目の前の獣医師を信用するかどうかと言うことになるんでしょうから
納得いくまで時間を、あまりないこともありますが、かけて
正しい情報を収集してください。
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