院長 / つぶやき / 2019.5.22 10:36

内容を吟味しましょう。

随分昔の話です。

とある街で犬が交通事故にあい、病院へ運ばれました。
重症だったわけですが、24時間の集中治療の結果
一命を取り留め無事退院の運びとなりました。
飼い主さんは安堵したわけですが、退院の際には
治療費の請求があります。
その金額が予想以上だったということでしたが
明細をみるとそれは仕方ないことと納得されて
治療費を支払いました。

その後犬は元気になったわけですが
その件をたまたま友人に話したそうですが
話を聞かされた方はその治療費の高さにビックリしたそうで
執筆業をされていたらしいですが
そのことをコラムとして書いちゃいました。
特に治療費の事を「驚いた」として。

この件は実はその後大問題となりました。
詳細は省きますが当事者同士では解決していることを
無関係の第三者が口を出す必要はないわけです。
それだけの治療費がかかるほどの処置をして
しかも24時間つきっきりの看護を施した結果、ですから。

実際にその犬の怪我の程度については
伝え聞いたところによると、当時の私の病院では
とてもそこまでの治療は出来ない、と言う内容でした。
しかも24時間スタッフが交代でかかりきりなんて言うのは
人間の病院でもなかなかそこまでは出来ないと思います。

この件が問題になったのは当事者ではない人
この方は動物を飼育経験がない方のようでしたが
そういう人にすれば「犬（動物）にそんなに金使うのか？」あるいは
「動物病院ってのはそんなに金がかかるのか？」という事だったんでしょうね。
こういうのは車が好きな人がいて、自分の車をドレスアップするのに
お金を使うと言うのはその人の自由です。
それをみた車に興味のない人がどんな感想を持つかはその人の自由です。
ただ口出しするのは違うんじゃないですか、ってことですね。

治療費に戻しますが軽症な場合の治療費と重症な場合の治療費が違うってのは誰でもわかります。
例えば膀胱炎の場合などは軽症であれば投薬や注射処置で症状の改善は見込めますが
重症になると、例えば細菌感染が合併して腎臓病を併発したりすると入院加療が必要となります。
例えば歯の処置でも、歯石除去だけで済めばいいんですが
歯周病が進行して歯がぐらぐらになってしまったり歯の根っ子が腐ってしまっていると
抜歯が必要となり、その抜いた部分の処置・治療も必要となってきます。

結局のところ治療をすれば費用は掛かる、と言うことに変わりはなく
それを出来るだけ抑えたいとするならば
まずは病気にならないように普段の生活を気を付けることが第一だと思います。
例えば食事管理は絶対に必要でしょうし、危険な場所、例えば屋外での放し飼いや
車の中での放し飼い状態などは止めるべきでしょう。
そして具合が悪くなったとするならば早期に処置をすれば
早く改善する、治る可能性もあり、その分治療費は抑えられます。
ただどうしても重症事例であれば治療費はかさんできますから
その覚悟は必要だと思います。

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