心臓病の症状の1つです。
最近は少なくなりましたが、フィラリア症の症状も咳からです。
また近年多くなっています僧帽弁閉鎖不全症も咳からです。
心臓病の場合、咳といういわば唯一と言っていい症状を見逃していると
その間にドンドンと進行して来院時には肺水腫と言うことも珍しくありません。
心臓病と診断した事例では咳に気づいていた飼い主さんは半数程度です。
中には頑として「してなかった」と言い張る人もいますけど
心臓の状態を見れば咳が出ていたかどうかは一目瞭然なのです。
気づいてなかったならそれはそれで仕方ないわけで
時間は戻りませんから。
ただこれから治療するとなった場合、まずは咳が出なくなると言う状態を目指しますし
その後も咳が再び出るかどうかが治療ステージの分類に繋がってきます。
最近は進行した状態で診察する機会が増えています。
咳のみならず、散歩中に倒れたとか
ここまで行くと心不全ですので非常に危険です。
元気そうだった、と言う話もよく聞かされますけど
心臓病が原因で元気そうじゃなくなったと言う場合は
相当進行した状態です。
どんな病気であれ初期症状を呈している時には
一見すると「元気」です。
早期発見早期治療はどんな場合でも重要ですが
心臓病に関しては倒れるような状態になる前に
診察を受けてもらいたいと思いますし
食欲が落ちるまでそのままにしておくと言うのも
止めておいたほうがいいと思いますが。
先日は「喀血」した犬が来院してました。
こちらは飼い主さんは咳には気づいていたようですが
散歩中に失神転倒してから病院に行かれたそうです。
ただ残念ながらレントゲンや心臓エコー検査はされず
原因についてはきちんと診断されていませんでした。
ここは病院側の問題も有ると考えます。
心臓病は完治させることは難しいですけど
症状をコントロールすることはそんなに難しくはありません。
飼い主さんと状況のやり取りをしつつ
適切な検査を交えて治療していけば
天寿を全うすることは十分可能だと
私は思っています。
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