一般食と違って処方食に関しては、と言うことです。
各メーカーさん、いずれも「ネット上での販売はしておりません」と言っております。とは言え現実はネット上で「普通」に販売されていますのでそちらから購入している飼主さんは多いと思います。
個人的には思うところもありますが、違法ではない限りはまあ仕方ないんじゃないのと思ってますけど、ちょっとしたトラブルも無い訳じゃない様で。
ネットのサイトで購入した場合に生じたトラブルについてはこちら側は完全ノータッチとなりますので手助けも出来ません。後になって話を聞くだけです。
実際にあったものとしていくつか事例をご紹介。
「大量に購入したはいいけれど動物が死んでしまい処理に困った」
要するに食べるべきものがいなくなってしまったということですが、一般食ならまだしも処方食の場合は誰が食べてもいいと言うものではないので、知り合いに同じ処方食を食べている人がいればその人に譲ると言うことも出来るかもしれませんがなかなかそう上手くいかないと言うのもこれまた事実です。そうなると処分に困るわけですけど、購入したところで返品して返金してもらえればそれで万事OKなんでしょうが実際には難しいようです。
これが病院で購入したものであれば、商品が未開封であれば返品処理は出来ます。また病院によって対応は違うでしょうけど場合によっては返金も可能な場合もあります。
そして最近では
「今までネットで購入していたのが出来なくなった」
メーカーさんは先ほども書きましたが「ネット販売はしていない」という前提があります。それでも現実はそうではない、でもこのままにはしておけないと言うことで対策を取ってきています。
あるメーカーは、購入に当たってその処方食を提案した病院のコード番号を入力を提示することを求めるようになりました。
また違うメーカーは発注システムを変更し、メーカーと病院側の直接売買へ移行しようとしています。それによって購入する場合には動物病院が必ず間に入ると言うことを徹底しようと言う意向のようです。
どうしてこういうことをするかと言いますと、一般食と違って処方食は「病気の治療」として必要なものという位置づけなので「薬」と同等に扱うべき、と言うことなんです。
これは確かにその通りで、処方食を誤った使い方をすればその動物の健康を害するかもしれないからです。
それゆえ我々獣医師が処方食を提案する際にはきちんとした根拠が必要なわけで、その処方食を提示した責任が獣医師側に生じます。
そして丁度今メーカーと折衝中の案件ですが、商品に異物が混入しておりそれについて対応中です。
これがもしネットで購入した場合には販売先へ報告し対応を待つと言うことになると思いますが、メーカー側は「処方食のネット販売はしていない」という立場ですから飼主さんがメーカーへ直に連絡を入れた場合、先方がどういう対応をとるのかな、上手く交渉できるかなと思います。
今回当院で起こった事例は当院で購入した処方食の中に異物が混入していたわけですので販売した側の責任として飼主さんに代わって私がメーカーの側と直接やり取りしています。
同じクレームでも「獣医師のクレーム」と言うのはメーカーさんにとってもいわば「VIP」からのクレームですから対応が早いんです。なぜなら処方食は獣医師の「処方」から始まるわけですので、もしも対応が悪くて獣医師が「もうあんたのところのは使わんぞ」となるときっと困るでしょうから。
ちなみに今回の商品は、銘柄等は伏せますが、当院での販売実績がかなり大きいのでメーカーさんも慌ててるんじゃないでしょうか。一気に引き上げると結構な損失になるはずですから。
もっともこちらもそれを盾にしているわけじゃありません。
あくまでも「当院の患者さんの利益を守る」のが役目だと思ってますので。
ネット購入のメリットは色々あるとは思いますが、処方食に関しては病院での購入のほうが、何かあったときには病院側が寄り添っての対応が出来ると思いますよ。
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