先日広島での猫の腎臓病セミナーの中で
出来るだけ早期に腎臓の障害が起こっていることを見つけ
早急に対策を取りましょう、と言うことだったわけです。
腎臓病に関してはもう随分前から
「血液検査で異常値が出た時には相当進行している状態」
と言われていますので、血液検査で異常値が出る前に
腎臓の異常を見つけられれば早めに手が打てると言うのは当然です。
そこで当初は「尿比重をはかる」と言うことが提唱されました。
それは今でも行われている検査です。
腎臓と言う「工場」に異常があるのであれば
そこで作られている製品(尿」に異常が見つかる、と言う理屈です。
さらにもっと早くわかる方法はないか?と研究が進みまして
最近では血液検査(外注検査ですが)「SDMA」と言う項目をチェックするといい
と言う話が出てきました。
検査センターからも「SDMAはかるべし」と催促のDMががんがんと届いてましたが
当院ではそれは華麗にスルーとしました。
その理由は
外注検査だとリアルタイムでわからない
検査費用がかかる
それと「ホントに言うほどの効果があるの?と言う疑問がありまして
そこで先日のセミナーだったわけで
早期発見にためにいい方法があるかな?と期待してました。
すると・・・
「腎臓の形態を見る そのためにはエコー検査!」
と言うことでした。
なんだ 今やってる方法でいいんじゃん。
とつくづく納得でした。
先ほどの工場の例えで言いますと
工場の外観・中身が壊れかけてくると
見ただけでわかりますね。
例えば窓ガラスが割れている。
壁が薄汚れている
出入り口にゴミが散乱しているなどなど
「見ればわかる」と言うことです。
腎臓を直接見るにはお腹を開けないといけませんが
仮にお腹を開けても内部構造がどうなっているかはわかりません。
その中身を見る方法としてエコー検査は有用なんです。
当院では随分前から腎臓のエコー検査をルーティーンに行っています。
大学の専門医とのセッションも行いつつ
自分なりの基準を構築しその基準に当てはめて腎臓の状態を評価しています。
先日のセミナーでは通常のBモードでの所見だけでしたが
当院では特に腎臓皮質部分の血流をチェックし
血流の状況を評価しています。
それによって、例えばラプロスと言う薬がありますが
それを使うかどうかの判断基準としています。
今までの方法が間違っていなかったと言うことに
勇気を持ちましたし、また自信となりました。
これがあるから勉強は本を読むよりも
ライブのほうがいいんですね。
出かけたついでに古い友人と一緒に
ディナーを楽しんできましたし
広島へ出かけるのは楽しいです。
| comments (0) |