と言うのが我々臨床に携わる者にとって一番重要な所見です。
しかし病気というのは急になるものではなく、徐々に進行していくものであり、悪化していくものです。
その初期にはまったく症状はありませんが、次第に症状が現れることになります。
その出来るだけ早い段階で症状が出ていることに気づくか、と言うことこそが最も重要なのです。
とは言え、我々が相手にしているのは日本語も英語も話すことができない動物が相手です。
彼らは言葉を喋らない代わりに体で表現をしています。
ただこれを見抜くのはなかなか難しいのです。
それは動物が言葉を発しないことに加えて、動物種によって表現の仕方が違うからです。
例えば犬。
よく言えば痛みに強い。
ぶっちゃけて言えば「馬鹿なの?」のレベルです。
ものすごく痛いはずなのに我慢をします。
そんなに我慢することは無いのにな、といつも思いますが、悲しいことにそういう生き物なのです。
ただ「喉の渇き」には我慢をしないようで、飲水量の増加は明確にわかります。
水をたくさん飲むようになる病気というのは結構たくさんありますので、この症状は非常に有用な情報となります。
例えば猫。
こちらは誤解をされることが多い生き物ですねぇ・・・
例えば痛みに関して、「猫は痛みを隠す」と長らく言われていましたが、私はそうは思いません。
痛みに関しては人と同じレベル棚、と思っています。
それも幼児に近いレベルですね。
ただ、表現形としては「動かない」と「食べない」と言う形になります。
猫がじっとしているのをみて「痛がっている」とは考えないかもしれませんが、実はそうなんですよ。
多分、無駄なエネルギーを使わない、と言うことなんだろうと想像しますが、
こういう姿を見て昔の人は「猫は自分で怪我を治す」なんていうレッテルを貼ったのかもしれません。
また飲水に関しては、元々水を飲まない生き物ですので、水をよく飲むようになるとと言う症状については
わかりやすいはずなんですが、飼主さんが気づくことはなかなか無いです。
ではどうやって気づくかと言うと、飲んだものは出しますので、排尿量が増えます。
それが一番わかりやすいでしょう。
例えばウサギ。
こちらは草食動物であり、自然界では肉食動物に「狩られる」立場です。
それゆえ痛いだのかゆいだのでいちいち動かなくなっていては「狩られ」ます。
それゆえ命のギリギリまで「普通に」過ごします。
外見からではわからないレベルです。
ではどうやって体の異変に気づくか、と言うとやはり食べる量でしょうか。
行動では平常を保っていても食べると言う行動は体調が悪いとどうしても落ち込みます。
こういう異変は飼主さんしか気づけないところでもあります。
動物によって表現形は様々ですが、異変を訴えている姿を見逃しては獣医師の仕事になりません。
私は犬語も猫語もわかりませんが、一番重要視しているのは「体重の変化」です。
持病があって増えるのは構いませんが、減るのは黄色信号ですから。
その一点はたとえ100gの減少であったとしても気にしています。
普段の生活を見ていない立場の人間としては客観的事実としての体重数値はもっとも重要視します。
体重は家でも計れると思いますので、健康管理として月に1回ぐらい体重測定をしてみてください。
ただし「間食」をしていると体重は増えますからね。
これがあれば私からの「教育的指導」が入ります。
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