岡本動物病院

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院長のブログ

野良猫・野良犬の治療費は

院長 / つぶやき / 2021.6.25 22:46

連れてきた人に請求します、と言うのが本筋です。

たまに問い合わせがありますが、
野良猫であろうが飼い猫であろうが
野良犬であろうが飼い犬であろうが
病院に来たらやることは同じです。

診察を希望されされば診察をします。
必要な検査もします。
何なら手術をすることもあります。

これらにかかる費用は「無料」と言うことはありません。

飼い主じゃないから、と言われる場合もありましたが
そのあと確認してみると普段から「餌を与えている」と言う事でした。
その方はあくまでも「飼っているわけじゃないから飼い主じゃない」と言い続けてました。

そうなると飼っている、飼ってないの線引きはどこですか?と言う話になりますよね。

また道路で怪我をしている犬(猫)を見つけたと言うことで
病院へ連れてきた人がいましたが
最初は診るだけ、と言う事でしたが
大きな怪我をしており入院加療が必要、もしかすると手術も必要かも
と言う状態だったのが「診ただけ」でもわかりましたので
そのことを伝えると、さてどうしましょうとなりました。
暗にこちらで引き取れと言わんばかりの態度でしたね。

診るだけならこちらの善意で無料としましょうは出来なくはないですが
検査をするとなると諸々費用が掛かります。
治療をすれば薬代もかかりますし
手術となると麻酔やら何やらで当然費用が掛かります。
これらをこちらの持ち出しにすると言うことは
病院でお金を払っている方々に失礼に当たると私は考えています。
タダで治してくれるならウチもそうしてよ、と言われたら何も言い返すことが出来ません。

テレビやネットの記事で、そういう場合に無料で引き取ってくれた動物病院の話というのを
見たことはありますが、それが本当かどうかは別としても
全ての動物病院で通用するわけじゃないと思いますよ。
当院もそうですが、少なくとも私の友人知人の獣医師に聞いたことがありますけど
すべてがうちと同じ対応でしたから
多分私の対応が少数意見ではないように思います。

昔、犬を当院に連れてこられていた方で(犬は亡くなりましたが)
家にしょっちゅうやって来る野良猫がいて
ある日足を引きずっているのを見つけて
怪我をしているんじゃないだろうかと言うことで
こちらに連れてこられました。
後肢がぶらぶらになってましたので一見しただけで骨折していることがわかりました。
その旨を伝え、治すのは可能ですが手術が必要になりますよ、とお伝えしたところ
「ウチで飼ってるわけじゃないからなぁ・・・でもこのまま見過ごすこともできないしなぁ・・・」と言われまして
掛かる費用について聞かれましたので大体これぐらいかかりますよ、と答えたわけですが
結局・・・手術することになりまして、綺麗に治すことが出来ました。
その猫はそのままその方の家の一員となりその後とても幸せに暮らしていましたね。
野良猫でしたので骨折の原因はおそらく交通事故です。
そのこともあり飼育するとなった後はずっと家猫でした。
高齢になるまで病気になることもなく、その代り毎年混合ワクチン接種で
顔を見ることが出来ましたね。


例えば野良猫や野良犬を保護したらどうするか、と言う事ですが
それは本当に野良ですか?と言う事を考えないといけないんです。
実は誰か飼い主さんがいて、そのときたまたま外に出てトラブルにあっただけかもしれません。
その場合診察や治療となると飼い主さんの許可が必要となるんです。

実際に過去に何度かそれでトラブルになりかけたことがあるんですよ。

怪我をしているのを見つけて病院へ連れて行った。
そこで診察や処置の費用はその方が支払いをした。
治療の後になって飼い主が見つかった。
その飼い主は救ったことについて礼をいうどころか
保護した人、治療をした病院に
「余計な事をするな!」と怒鳴り込んできた。

こんな事例を私は少なくとも2回経験しています。
保護してくれた人に対して「助けてくれてありがとう」と言うならまだしも
余計な事をするなというのはどの口が言うの?と思いますが
飼い主には何かしら思うところがあったのかもしれません。

ちなみに
犬の場合、リードがついていないとか首輪がないと言うのは
多分野良犬あるいは野犬と判断されることが多いと思います。
飼育下にある犬が屋外に出る際には必ずリードをつけていないといけませんから。
ただ屋外に係留して飼育されている場合、首輪がスポッと抜けてしまい
そのまま走ってどこかに行っちゃったということもあるでしょう。
そんな状況でその犬をみて「飼い犬だ」と言う証拠がないですから
保健所に通報が入れば彼らは捕獲しに出動します。
その後飼い主がいるかもしれないという前提で
こういう犬を保護していますと広報されることになります。
飼い主さんがもしも探しているのであれば
どこかで情報が耳に入るもしれません。

ただし猫の場合は犬と同様と言うわけにはいきません。
犬と違うのは登録義務がないからです。
それゆえそこら辺を歩いている猫が
野良猫なのか飼い猫なのか区別がつかないんです。
そのため保健所も簡単に捕獲することが出来ないんです。
もしも捕獲した後に飼い主が「うちの猫になんてことをするんだ」
なんて言われたらどうしようもないんです。
犬と違って外出時のリード着用が義務付けられていませんから。

とは言え法律はきちんとありまして
恒常的に食べものを与えている人は
自分が飼い主だという認識は無くても
民法上は飼い主と同等の扱いになります。
私は法律家ではないので詳しくは弁護士にお尋ねください。
ただ過去の裁判判例はあります。それは知ってます。

人間の場合、病院の前に子供が捨てられていた(置き去り、の方がいいですか?)
と言う場合、その子にかかる処置費用は病院持ちじゃありません。
ちゃんと行政が負担してくれます。
でも動物病院の場合は行政の協力はありません。

感情的には理解できますけど
現実は現実ですので
治療費は発生しますので連れてこられた方に請求をします。
そのことはご理解ください。

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