岡本動物病院

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院長のブログ

獣医師不足だそうで

院長 / つぶやき / 2021.11.11 22:18

本県が我が母校と業務提携らしきことをしたとのこと。

獣医師、公務員と大動物の獣医師が不足していると言うのは
全国的なものであり、特に今に始まったわけでもありません。

他県では私が学生時代からすでに人材確保のために
奨学金制度があったり、公務員試験はほぼフリーパスだったり
なんてことがあったものです。

ちなみに私も本県公務員試験は受験しています。
公務員になりたかったわけではなく
研究室の教授の圧に負けて・・・一応受けるだけは。

ただその当時他県、特に中国地方では
先に書いたようにフリーパスでした。
またある県では宿泊施設(超有名温泉旅館)へ誘い
試験会場まではタクシーでの送迎もしてましたね。

そんな状況ですから大学の同期で公務員試験(地方公務員)に落ちたなどという
あんぽんたんは誰もいなかったと思います。
それどころか辞退したなんてやつも結構いましたから。

ちなみに本県はどうだったかと言いますと
奨学金制度・・・そんなものはありませんでした。
何年か前になってようやく奨学金制度が出来たと言うのは聞きましたが
遅いですね。遅すぎる。
試験は、会場へ自腹でいきましたとも、ええ。
そして受験者は私一人でしたね。

応募要項には「採用 若干名」と書かれていました。
しつこいですが受験者一人です。
これで落ちるなんてありえないでしょう。

試験の合否は、県庁前に張り出すのでそれを見て
合格していたらそのまま建物に入って手続きをするように、と
書類には書かれてました。

合格発表の時、私は大学に戻ってました。
だって研究論文の追い込み時期でしたから
本来なら公務員試験なんぞ受けてる暇なんてなかったんですよ。
北海道から飛行機に乗って、そこから電車に乗って家まで帰り
さらにそこから電車に乗って受験会場まで行き
電車に乗って家に戻り飛行機に乗って北海道へ戻ったんです。

合格発表を見に来い?
北海道から島根まで?
誰か飛行機代出してくれるの?

普通合否については郵送するとか思いませんか?
大学の合格発表はそうでしたよね。
公務員試験は自分で見に行かなきゃいけないんですよ。

あ・り・え・な・い

と言うことで私は自分の合否を知りません。
まあなんといっても受験者一人ですから落ちるなんてことは・・・

・・・試験はさっぱりできなかったんですけどね。

くだらない前置きが長くなりましたが
公務員や大動物の獣医師になることを希望しない学生は
私が大学を出て以降年々増加しています。
それがわかっていて将来人で不足になることは自明だったにも
関わらず、ホントに若い人が入ってこない現状に陥ってから
慌ててあれこれやっても時すでに遅しですよ。

では学生さんたちは卒業後どの道に進むのかと言うと
私が現在やっている「小動物臨床」です。
こちらは人手が溢れています。
飽和と言われて久しいです。
なんなら大動物獣医や公務員獣医らが
仕事を止めてこっちに来ます。

それが現状です。

大学時代の後輩で某県の公務員になった稀有なヤツがいます。
今から十年ほど前に近況を聞く機会があったんですが
獣医師確保(公務員)のため全国の獣医系大学を
訪問しまくっていると言ってました。
それでも公務員試験を受ける学生が「0」だと嘆いてましたね。
そいつも今は定年が近くなったので最近では

「毎日気楽ですわ」

って言ってました。

大動物獣医師はまだ何とかなるかな、という気もします。
対象が「動物」ですから。
臨床が出来ますから。
でも公務員は・・・・・難しいでしょうね。
三顧の礼で迎えるぐらいの事はしないと。
そもそも獣医師を目指す子に
獣医師の仕事に公務員があるってことを知らないってのが多いと思いますよ。
現に私も大学入ってしばらくするまで知らなかったですから。

公務員って…何するの?ってなもんです。

臨床はいわば花形です。
派手ですし、かっこよく見えるんです。
でもって公務員の仕事ってのは地味なんです。
世間に多分周知されていないと思います。

しかしとても重要なんですよ。

例えば、皆さんが口にする食品。
安全に食べることが出来るのは保健所が存在するからで
そこで食品衛生に携わっているのが獣医師です。
海水浴場や温泉などの楽しむことが出来るのも
水質検査をしている獣医師がいるからです。
これらの業務は臨床ではなく公衆衛生と言いますが
これは我々の生活を陰で支える重要な役職なんですね。

実は私、大学3・4年の時には公衆衛生学教室と言う研究室に
所属していましたので、色々勉強させてもらいました。
食品衛生やら水質検査など基本的な手技はすべてここで身につけました。
大学院に進んだ時には薬理学教室へ変更したので
公衆衛生学教室の助教授から

「お前はデビルマンだ」

と命名されてしまいましたが。

先輩には公務員になった人がたくさんいます。
自ら進んで、です。
でもその中の半数ぐらいの人が
職を辞して臨床獣医師へ転身しています。
これも何とかしないといけない事実なんじゃないでしょうか。
学生さんの確保のみならず
現在従事している現役の方の身の確保の事も考えないと
ホントに「誰もいなくなった」なんてことになりかねません。

時すでに遅しと言う感は拭えませんが
貴重な人材をぜひとも確保してほしいものですが
机上の空論だけではなく財源もしっかり確保してからでないと
難しいですよ。

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