岡本動物病院

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院長のブログ

血球検査にて

院長 / つぶやき / 2022.9.2 10:34

白血球分画というものがあります。

一般的に「総白血球数が多くなっていれば感染または炎症がある」と判断されますが
これはこれで間違いではないです。
ただし我々が検査をするにあたっては厳密な解釈が必要ですので
総白血球数の増加がある、だけで終わってはいかんだろうと思ってます。

とは言え私自身最初からそうしていたわけじゃありません。

学生時代、実習にて血液塗抹染色を行い顕微鏡で白血球分画を測定するということを
当たり前にやっていました。
しかし卒業して現場に出てからは全くそれをしないことを目の当たりにして

「それでいいんだ」
と納得してしまっていました。

確かに塗抹染色を行うのは手間がかかりますから
要するに「面倒くさい」わけです。
他にしなければならないことがたくさんありますので。
という生活をしてましてから開業したわけです。
そうなると今までしてきたことが「常識」となってしまいますので
塗抹染色など記憶の彼方に飛んで行ってしまいました。

それから数年経過し勉強しようということで
とあるセミナーに参加させてもらいました。
そこで久しぶりに塗抹染色の話がでてきて
これが検査においていかに重要なことかという記憶が蘇りました。
帰ってきてから塗抹標本の作り方を思い出しながら
染色も行いながら
顕微鏡をのぞき込んで白血球の形態を思い出しながら
とにかく面倒がらずに血液検査において塗抹染色を作ることを
「当たり前」にしました。

少しやってみると元々体に染みついた作業ですので
対して時間も掛からないことに気づき
また検査してみるとやはりとても重要な所見が取れることに気づきます。

その後血球検査機械も新しいものが出始め
白血球分画を自動で解析するものも出てきました。
当然当院にも営業が掛かってきますが
もうその時には塗抹染色、分画チェックがルーティーンワークになってますので
機械では測定できない、目視でなければわからない事柄について
自信満々ですので営業者をバッタバッタと切り伏せ(笑)
一端気取りとなりました。

塗抹染色は白血球分画だけではありませんで
赤血球の形態や血小板の形態もチェックできますし
赤血球内の感染原虫も確認できます。
機械の便利さには敵いませんけど
目視でしかわからないことも多々あります。

ということで今日も採決後は塗抹標本を作り
パパっと染色して顕微鏡をのぞき込んでいます。

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