岡本動物病院

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院長のブログ

ワクチン考

院長 / つぶやき / 2022.10.26 10:30

ワクチン接種にあたっては強いこだわりがあります。

まず最初に断っておかねばならないのが「ワクチンには副作用(副反応)がある」というのが大前提と考えています。

感染症の予防に有効な手段としてワクチン接種があるわけですが
昨今の新型コロナワクチンで様々な報道がされているので
ワクチンの副作用ということを認識された方も多いでしょう。

でもこれは仕方のないことなんです。
ワクチンに副作用はあるわけですから。

新型コロナワクチンのことはひとまず置いといて
私は獣医師ですから動物のワクチン接種について書きます。

犬の場合、狂犬病予防ワクチンと混合ワクチンの2種類があります。
狂犬病のワクチン接種は生後91日以上であれば接種義務があります。
これは法律によって決められています。
しかしこれには例外が認められていて、獣医師がこの犬には
あるいは今の状態では接種できないと判断した場合
ワクチン接種の猶予が出来ます。
またワクチンの説明書に記載されていますが
何種類かの疾患に関しては接種してはならないというのもあります。
この場合、我々獣医師は「狂犬病予防接種猶予認定書」というものを書いて
それを行政に提出することになっています。

おわかりでしょうか。
接種は義務ですが、しなくてもいい特例が認められているんです。
ここ重要です。

混合ワクチンは犬猫とも強制ではありません。
こちらは任意、つまり飼い主さんの意向で接種するしないを決められます。
また混合ワクチンですので数種類のものが入っています。
当院では犬では2種と5種を、猫では3種を使っています。
もちろんこれ以外に7種、8種・・・とたくさん入っているものもあります。
これは犬の場合ですけど。
猫では4種というのがありますね。

強いこだわりというのがこの混合ワクチンについてなんです。
混合ワクチンでは中の数が多ければ多いほどリスクが高くなるんです。
もちろん2種であっても副作用がないわけじゃありませんが
某メーカーのワクチン副作用実例を挙げてみると
「2種と7種では7種の方が6倍多かった」という事実があります。

犬のワクチンは「ウイルス性」のものと「細菌性」のものがありまして
6種までは「ウイルス性」で7種以上になると「細菌性」疾患のものが入っています。
7種以上になると副作用の出るリスクが高くなるわけですが
その理由としては
一度に体内に接種する数が多すぎるため体の負担が大きい、ということもあるでしょう。
でも7種以上のものではワクチン生成の際にある添加物を入れて作られるんですが
これは各メーカーによって若干種類がことなりますけども
この添加物が副作用の要因として挙げられています。
でもこれを入れないと作れないので仕方がないわけです。

ワクチンの副作用として最も怖いのがアナフィラキシーショックです。
よく聞くのは「スズメバチに刺されて死亡した」ということだと思いますが
急性のアレルギー反応であり、命を落とす可能性があるというものです。

私は獣医師になって30年以上たちますけどこれまでアナフィラキシーショックを経験したことがありません。
これはワクチンメーカーさんから言われましたけど

「とてもラッキーですね」

だそうです。

アナフィラキシーは何もワクチンだけで起こるわけじゃありませんが
経験がないというのはラッキーなんでしょうか?

私はワクチン接種の時には特に気を付けていますが
その時の動物の健康状態をまず気にします。
体調のよし悪しを確認しますが、こんなのは当然のことです。
そして過去に何かに対してアレルギー症状を起こしたことがあるか否かを気にします。
それはワクチンの場合当然ですが、アトピーがあるとか食事のアレルギーがあるとか
過去の病歴ですね。
過去にアレルギー症状を起こしたことのある場合は
まず接種するか否かを考えます。
飼い主さんの意向も重要ですが、ワクチン接種によってアレルギーが起こる可能性が高いと判断したら
ちょっと考えようか、と提案します。
それでもワクチン接種をするとなった場合にはリスクの少ないものを選んで接種します。

その時に7種以上のものをあえて使うわけがないですね。
リスクを抑えるためにはアレルギーの原因となる添加物の入っているものは当然避けます。
また数が多いより少ない方がリスクは抑えられるでしょうから
当院では5種よりも2種を勧めます。

また過去にワクチン接種でアナフィラキシーを起こしたことがあるという犬の場合
昔そういう犬が実際にいましたが
聞いてみると昨年そのようなことがあり、今年は当院へ来院された方でしたので
何種のワクチン接種でアナフィラキシーを起こしたのか確認しますが
すべての症例で7種以上でした。
それでいて今回も7種以上のワクチン接種するなんてことはあり得ませんね。
そんなことをしたらまたアナフィラキシーを起こす可能性高いですし
何なら死んでしまうかもしれません。

ワクチン接種というのは犬猫の感染症予防のために行うものであり
それをして病気になってもらっちゃいけないわけです。
でもワクチンには副作用がつきものなので、目の前にいる動物への
リスクを最小限で抑えるにはどうするか、どれを使うかと頭を使います。

昔、某ペット保険会社が保険に加入するには何種以上のワクチン接種でなければならないと決めていました。
そのことを見て聞いてその会社にクレームを入れたことがあります。
なぜ何種以上でなければならないのかその根拠を問うたわけです。
ワクチン種類が限定されるのであればそれを接種できない体質の動物は
保険に加入できないということになりますから飼い主さんにとって不利益となりますので
ワクチン種類を限定した理由を問うたんですね。
その結果、ワクチン種類の限定は解除されました。
私のクレームが原因かどうかは知りませんが、結果として保険加入できる人が増えたと思います。

あるトリミング施設でも同様なことがありました。
そこを利用していた飼い主さんから相談を受けてわかったんです。
その際もそこへ直接クレーム(あえてクレームと書いてます)を入れて
限定を外してもらいました。
ワクチン接種をしていないとダメ、というのは理解できるんです。
不特定多数の犬が集まる場所ですからワクチン接種は必須だと思います。
ただ犬から犬へ直接あるいは間接的に感染するものに対しての感染予防をしていればいいわけですから
7種以上のものは必要ないですから。

某団体でも同じことがありました。
そちらは法律を盾に話をしてましたが、該当犬は過去にアレルギー反応を起こしていたんです。
そういう犬に7種以上のワクチン接種は危険だと私は思いますので
ワクチン接種をすること自体には反対ではないが
副作用の発現を積極的に抑える必要があるだろうから
副作用発現の多いものをわざわざ使う必要ないと突っぱねたわけです。
それが先方の怒りを買ったようですけど、いくら法律で決まっているとはいえ

犬の体、健康を考えるならばリスクは下げるべき、だと思いますよ。
これは動物愛護の精神です。

あちらが法律を盾にするならば、私は動物愛護を盾にします。

狂犬病のところで書きましたが、法律で決まっていることですが
救済処置があるんですよ。
それなのに混合ワクチンではその救済が出来ないのかなと不思議です。
そちらの法律よりも狂犬病予防法の方が強いものだと思うんですけどね。

某団体さんには付け加えていっときましょう。
これまでは何も言ってなかったのに(ずっと5種ワクチン接種してましたので)
なぜここへきて7種以上と強制するんでしょうね。
10年以上こちらへは何にもなかったんですけどねぇ。

該当犬は過去病歴報告書を見ましたが
何度もアレルギー性の疾患が症状を呈しているようで
これに対して救済処置がないとなるとこちらとしては

事故がおこならないことを願うだけ、です。

私の手を離れた今はそれだけですね。


感染予防も動物愛護ですが、中身を伴わないとそれは単に人間の都合ということになりかねません。
それでも副作用はつきもののワクチン接種ですから
相当な矛盾と対面しながら日々過ごしていますので
義務と責任、そして動物愛護、安全第一などなど
そういうこだわりは残り少ない獣医師人生ではありますが持ち続けていこうと思ってます。

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