500例となりました。
2006年12月に最初の手術を行ってから昨日500例目となりました。
足かけ16年ということになりますね。
これまでのことをちょっとだけ振り返ってみようと思います。
最初の症例ですが・・・これは大変でした。
大型犬・慢性経過というコンボでしたので、今の私でもちょっと手ごわいレベルでしたけど
一番最初がそんな症例でしたから大変だった記憶は鮮明です。
手術は1時間ぐらいの予定でしたが、結局2時間近く掛かりました。
そもそも最初の症例ですから手術時間の見込みが甘いですね。
とは言え最初が最初だったのでこの経験がその後に生きています。
当初は用手剥離法で手術をしていましたが、この方法だと出血がどうしても多くなることが気になっていました。
そんな時に業者さんからの機械の紹介があり、これなら出血を抑えることが出来ると言うことでした。
しかし非常に高価なものであったことと田舎の位置開業医が持つようなモノか?という思いがぐるぐる回りましたが
結局今後のことを考え思い切って導入することにしました。
今思うとよく決断したなぁと当事の自分を褒めてあげたいです(笑)。
それから症例を重ねていき100例を超えた辺までは特に困ったことはなかったのですが、
術後の血液検査数値について症例によってばらつきがあったことについてなかなか解答が得られず頭を悩ましていましたね。
そして100例を超えて200例近くなってくると、徐々に重症例や難しい症例に遭遇するようになりました。
このときに思ったのは「この程度の経験数でわかったつもりになってはダメ」と言うことでした。まだまだ新しい発見がありました。
300例を超えてくる頃になるとある疑問がわくようになりまして、それが・・・
『犬に胆嚢炎があるならば猫はどうなの?あるの、ないの?』
そこから猫へのアプローチをする様になったわけですが、実際に執刀して見ると犬と猫では全く様相が違うことに驚きました。
当初は「構造も同じようなものだろう」と甘く見てましたが・・・「全くの別物」でした。
また猫の症例を診察していると、胆嚢炎の発生原因、臨床症状など犬との相違点が多いと言うか全然違う、と言うことに気付きました。
以来猫の執刀数も増えていますが、猫については新しい発見が続きます。
これまでを振り返ってみて思うのは、やはり治療の基本である「早期発見早期治療が大事」と言うことです。
今後現役でいる間どれだけの症例数をこなすのか分かりませんが、出切るだけ長い現役生活を送りたいと思っています。
とは言えあまり真面目に健康管理をしているわけではないのですが、ストレスを溜めないことが一番いいかな、と思います。
犬もストレスが原因で胆嚢炎が悪化しますから私が胆嚢炎になって手術されるのもなんだかな、とも思いますけど、
一度(二度はないですね)自分がその身になればなおさら今後の手術に気合が入るかもしれませんね。
でも・・・そんなことは無いことを祈ります。
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