この名前をご存知方いらっしゃいますか。
スキルスは別名「進行性胃がん」です。
有名なところでは、元アナウンサー 逸見政孝さんがこの病気で亡くなりました。
胃がんと言っても色々な種類がありますが、なぜが犬猫は胃がんというのが
ほとんどありません。
その理由については、全くわかりません。
しかし、胃がんができた、という場合90%の確率で「スキルス」だと言われています。
私の四半世紀の経験上、胃がんつまりスキルスであったというのは
片手で数える程しかありません。
そしてこの病気が厄介なのは、初期の段階では見つけられないということでしょう。
いくら胃カメラや造影検査をしても発見は非常に困難です。
これは人間も動物も同じ、ですね。
今日、スキルスで一頭の犬が亡くなりました。
異変が起こったのが大晦日で、診断がついたのが正月明けでした。
以来、わずか10日間しか持ちませんでした。
そして、すい臓への転移がありました。
こちらの症状、つまり「激しい痛み」と「嘔吐」があって初めて体の異変に気づいたわけで
胃がんの症状は全くありませんでした。
ガンの早期発見のために、様々な研究が進んでいます。
最近では血液や唾液からでもガンが体に潜んでいるかどうかがわかる時代になりました。
それは「腫瘍マーカー」と言われる物質を検出することで可能です。
ただし、それは人間の医療の話であり、動物には診断上有効な腫瘍マーカーはありません。
現時点ではどうやっても早期がんを発見することは難しい、と言うことです。
ちょっと前に「ヒトゲノム解析」と言うのが話題になりました。
これは遺伝子上の情報を全て解析するという画期的な研究です。
これによって、ある意味その人の寿命がわかるかもしれません。
しかし、これも人間の話であり、動物ではまだまだ、だと思います。
遺伝子解析や腫瘍マーカーが犬や猫でも使えるようになれば
本当の意味での「検診」が可能となり、病気の早期発見早期治療が実現するだろうにな、と
思う今日一日です。
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