岡本動物病院

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院長のブログ

猫の腎臓

院長 / つぶやき / 2014.4.3 13:32

ウチのスタッフの猫の腎臓検査を行いましたのでご紹介しましょう。

年齢はまだ1歳になってませんで、約11か月齢です。
先日避妊手術を行ったメスです。

私が普段の診療の際に「最近の猫は生まれつき腎臓が小さい」と言っているのを気にしてて
検査をして欲しいと言うことで、強制的に(?)検査をさせられました。

まずは血液検査の結果です。
腎臓の機能を見る場合、まずはこの項目をチェックします。
BUN:21
CRE:1.2
TCHO:157
TP:7.3
ALB:3.3
となりました。

いずれも正常値の範囲内にあります・・・・が
CREの値が1.0以上ありますね。
CREと言うのは、元々筋肉由来の物質で、幼少時はまだ筋肉の発達が未熟なため
血液検査で1.0を超えることはありません。
若い猫(2歳未満)でCREが1.0を超える場合の原因として考えられるのは以下の2つです。
1:食事が悪い 一般的に「粗悪品」と呼ばれるものを与えている場合
2:腎臓が悪い 臨床症状がなくても腎臓は決して正常ではない場合

そして次にレントゲン検査を行いました。


背骨を中心に向かって右側が左の腎臓で、向かって左側が右の腎臓です。
腎臓の大きさを見る場合、基準となるのが腎臓のすぐそばにある脊椎(腰椎)の長さです。
正常な大きさであれば、脊椎(腰椎)の長さの2〜2.5個となるはずですが
ご覧の通り、左右の腎臓いずれも脊椎の長さ2個分にも足りません。
このような状況が、10年以上前から「普通に」見られるようになりました。
通常、年と共に腎臓機能が落ちていきますが、腎臓が小さくなる現象(萎縮)は
早くても7〜8歳、大体10歳ぐらいから始まると言われていますが
ご覧の通り、1歳前後ですでにこの有様なのです。
大きさだけで言えば「老猫」と言っていいでしょう。

次いでエコー検査を行ったので、写真をアップしようと思ったんですが
システムの問題か、うまくアップできませんでしたので結果だけご紹介します。
左右の腎臓とも形状の異常はありませんでした。
機能が落ちてくると形がいびつになるのですが、それはありませんでした。
また内部構造も異常はありませんでした。
そして腎臓内血流も過剰なほどに確認できました。

と言うことで、結論は・・・
今時に多くみられる「生まれつき腎臓が小さい」と言う事と
ただし、機能的には正常に近い状態と思われる事。
ただし、現時点で腎臓に「負荷」がかかっていることは否めないため
食事管理を始めた方が良いと思われる、と言うことです。

こういう猫が今では「普通」にいます。
それゆえ、若いからと言って安心はできませんし
与えるキャットフードに最大限の配慮が必要です。

心配な方は、一度病院で検査(血液・レントゲン・エコー検査)をすることをお勧めします。

| comments (13) |

コメント

お返事ありがとうございます。
この尿検査のこの数値では、もしかすると腎臓疾患ではないかもしれないということですか?
ご飯は毎日ロイヤルカナンの子猫後期カリカリを与えていて、検査の前日におやつとしてチュールのカリカリ状のものをを与えていました。
尿検査では出血のことなど何も言われず、菌ははいないようなので、この子は先天性の腎臓病ですと言われただけでした。

岡本美代子 / 2024.2.29 14:28

| EMAIL | URL | dDMHMhuo |

岡本さん こんにちは。
尿検査からは尿比重も下がっていないですし蛋白漏出もなさそうなので腎臓機能低下は伺えませんが出血反応があるのが気になりますね。尿路のどこからか出血があるとは思いますがどこかを確認したいところです。一般論ですが1歳以下の子猫でCreが1.0を超える場合先天性疾患のほか食べ物の影響を考えます。キャットフードやおやつが原因という事も多々ありますので。

岡本宏之 / 2024.2.28 18:21

| EMAIL | URL | PByz7nQ6 |

お忙しいところご連絡本当にありがとうございます。
言葉足らずですみません、尿検査もしたんです。
UPCが、−<0.20 アルブミンが1 phが6.0 BLDが3+1 比重が1.032 でした。ストラバイトやシュウサンカルシウムや細菌は、マイナスでした。先生のおっしゃる通り少し日数を空けてまた検査したいと思いますが、この数値から岡本先生はどう思われますか?

岡本美代子 / 2024.2.27 23:38

| EMAIL | URL | dDMHMhuo |

岡本さん こんばんは。
子猫でその数値は確かに高いですね。とは言え手術が出来ないという事もないと思います。食事療法についてですが、その前に尿検査はしておいた方が良いかと思います。その上で食事療法は考慮すると思います。もし腎臓に先天性の異常があるならば単に小さいというだけではなくもう少し詳しく調べた方が良いと思いますので、繰り返しますが尿検査は必要だと思います。また1〜2か月開けて再度血液検査もして最終的な診断になると思います。

岡本宏之 / 2024.2.27 22:02

| EMAIL | URL | PByz7nQ6 |

こんにちは。先生のご意見をお聞かせください。
8ヶ月のラグドールの男の子ですが、去勢手術をする前の血液検査でBUN57、クレアチニン2.1で、エコーで腎臓が小さいと言われました。ロイヤルカナンなどの腎臓サポートのエサに切り替えるように言われました。まだ小さいのに子猫用のロイヤルカナンから腎臓サポートに切り替えても成長的に大丈夫?とも思っていますが、数値的にそんなことは言っていられないくらいの数値なのでしょうか?
後日、腎臓を配慮しながらの点滴をしながら去勢手術をする予定になったのですが、ネコちゃんには負担になるのでしょうか?寿命も考慮するような数値ですか?
ネコちゃん本人は食欲もありますとっても元気ですが、たまに口臭がする時があったので、それが腎臓が悪いサインでしょう

岡本美代子 / 2024.2.27 14:04

| EMAIL | URL | dDMHMhuo |

ありがとうございます。明日で術後1週間、もう少し様子を見てみます。いきなりの書き込みに丁寧に対応いただき、大変感謝しております。ありがとうございました。

長谷川与之 / 2020.1.27 08:16

| EMAIL | URL | zekHCIBw |

これまでの経緯を伺う範囲では手術前の状態は年齢の割には悪くなく、手術も上手くいって閉塞は解除されたが、術後Creの数値が上昇したまま、と言う事のようですが、考えてみるに手術による侵襲が思ったよりも大きかったか、まだ術後日数が短いのでもう少し経過を見るべき、のいずれかかな、と思います。

岡本宏之 / 2020.1.26 20:35

| EMAIL | URL | iBAzvxqo |

補足ですが、手術に踏み切った判断材料として腎臓の大きさや形状だけでなくクレアチニン数値が高いのに食欲が廃絶しない、脱水、嘔吐が全くない、比較的元気がある、などの理由もありました。

長谷川与之 / 2020.1.26 00:32

| EMAIL | URL | zekHCIBw |

岡本様
はい、術後に腎盂の開きが閉じているのも確認していますし、人工尿管が機能\しているのも確認しています。そもそも今回内科治療で効果が得られず、高齢での手術に踏み切った経緯も術前にエコーで腎臓自体の大きさが保たれている=腎機能\がまだ残っている可能\性がある、との判断からでした。ただ術後にクレアチニンの数値が上がってしまったので、腎臓の大きさが保たれている=腎機能\が残っているに疑問を持ってしまったのです。ただ今日の検査では少しですが数値は低下していました。なのでこれから少しずつ改善してくのではないかと期待しているのですが…。

長谷川与之 / 2020.1.26 00:17

| EMAIL | URL | zekHCIBw |

長谷川さん こんばんは。

尿管の手術前に腎臓造影検査をしたと思いますが、その結果の尿管閉塞で手術したわけですよね?造影検査をして造影剤がちゃんと流れる、あるいは途中で詰まると言うのを確認しているはずで、術後も閉塞が解除されたかどうかを造影検査で確認すると言うのが通常の段取りだと思います。エコーやレントゲンだけではなかなか判断しづらいのではないかと思いますが。

岡本宏之 / 2020.1.25 22:37

| EMAIL | URL | iBAzvxqo |

岡本様
返信ありがとうございます。そこが不明な点でして11月30日の検査ではクレアチン5.4、いったん3.3に下がり再上昇。年末には2.8に下がりましたが年明けから高い数値が続いています。また腎盂には結石がこびりついていたとのことでした。腎臓の形状や大きさで残っている腎機能\というのはある程度推測できるものなのでしょうか?手術していただいた先生、そこを紹介していただいた先生もエコー画像で腎機能\は残っていると推測されていたのですが…

長谷川与之 / 2020.1.25 12:46

| EMAIL | URL | zekHCIBw |

長谷川さん こんにちは。

ご質問の件ですが、術前の状況がわからないので何とも言いにくい部分が多々ありますが、一般論としては元々の腎臓機能\はどうだったんだろう、尿管閉塞が起こってからどれぐらいの時間経過があったんだろうという点で術後の回復が変わってくるだろうと思います。手術時間も長かったと想像しますので麻酔の影響も可能\性としてはあるかな、というところです。

岡本宏之 / 2020.1.25 10:39

| EMAIL | URL | iBAzvxqo |

こんにちは。ブログ拝見し先生の見解を伺いたく書き込みさせていただきました。
我が家の18歳の愛猫(オス、去勢済)が尿管閉塞による腎不全と診断され、21日にサブシステムの人工尿管手術を受けました。術前のクレアチン数値が6.5、術後翌日が6.2でしたが、今日24日になって7まで上昇してしまいました。食欲は減退していますが廃絶はしていません。現在入院して静脈点滴と強制給餌を行っています。脱水、嘔吐は全くありません。排尿、排便もできています。先生によればエコー、レントゲン検査で片方の腎臓は少し萎縮があるが、もう片方は組織や構\造もしっかり確認できており機能\が残っていると思われると言われました。
お聞きしたいのは術後からの回復期間です。クレアチン数値が上がったのは、麻酔によるものなの

長谷川与之 / 2020.1.24 19:01

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