岡本動物病院

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ニュースレター

膀胱炎

院長 / ニュースレター / 2014.11.5 16:14

気温が下がると膀胱炎が多発します。

『寒くなると膀胱炎が増える』
昔から言われている格言です。

曰く
『寒くなると水を飲む量が減るから』
曰く
『寒くてトイレに行く回数が減るからだ』
曰く
『動かなくなっておしっこを我慢するからだ』
色々と言われております。

いずれにせよ・・・
膀胱炎を訴える動物が、特に猫で増えるのは間違いないようです。
膀胱炎の症状は、まずもって「頻尿」です。
あるいは残尿感、これは排尿姿勢をとるけれど尿が出ていない、というものです。
頻尿、あるいは残尿感が続くと「いきんで」排尿するようになり膀胱から尿道の粘膜に対して過剰な力がかかります。または尿中にできた結晶物によって粘膜が傷ついて「血尿」が見られるようになります。

膀胱炎の進行具合は人の場合と同様です。
まず、「急性膀胱炎」これが治らなかったら慢性化して「慢性膀胱炎」となります。
慢性膀胱炎が悪化すると膀胱内にポリープができてくるものが出てきます。ポリープ自体は良性のものですが・・・中には悪性化つまり癌化して膀胱癌となる場合もあります。

動物の場合、膀胱癌が見つかった時にはすでに「末期」と言われています。当院でも膀胱癌と診断した時点ですでに末期状態であり、ほぼ全例で短期間に亡くなっています。が、1例だけ「前癌状態」で見つかったため「完全治癒」した犬がいます。
この症例は検査の際に「偶然」見つけたため非常にラッキーでした。
その時4歳でしたが、抗癌剤投与により完全治癒しました。
通常、癌治療で「完全治癒」などという言葉は使わないのですが、この犬は18歳でその生涯を終えるまで一度たりとも尿のがありませんでしたので、あえて「完全治癒」と言っています。

さて、膀胱炎に話を戻しますが・・・
各種検査を行いますけれど、当院ではエコー検査の所見が決め手になります。
ただ、エコー診断はやはり容易ではなく、きちんと判断するのはなかなに難しいです。
そのため血液・尿検査やレントゲン検査などを照らし合わせて最終的に診断することになります。
まれに開腹して「膀胱組織検査」ってなこともやりますけれど・・・これを行ったのはこれまで3例だけです。
確かにここまでやると確実に診断可能ですが・・・検査のために手術というのはこちらとしてもなかなか口に出しにくいですね。
今回紹介するのは猫の急性膀胱炎と犬の慢性膀胱炎です。
まずは猫の症例です。

典型的ではないですが、膀胱粘膜の肥厚があり「膀胱が硬いかな」という感じです。
実際に「頻尿」が主訴で来院しています。
次は犬の症例ですが・・・こちらはポリープか、腫瘍かと悩ましい症例です。
ただ、不思議なことに頻尿・血尿が全く見られないので、はたして膀胱炎と言っていいものやら・・・


世の中には教科書に書いてあることだけで解決する病気ばかりじゃないんですね。
「事実は小説より奇なり」です。

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