岡本動物病院

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ニュースレター

膀胱結石の症例

院長 / ニュースレター / 2014.11.11 22:15

膀胱結石も以前に比べると少なくなりましたが
その内容や周囲の状況は随分かわりました。

膀胱結石は、さして珍しいわけではないですが、昔に比べると発生数は減少しているはず、です。
また結石の種類も変わってきたかな?という感じです。
一般的にはストラ(ル)バイト結石やカルシウム結石が多いのですが、かつては一番多く見られたのがストラバイト結石で、これは若齢のものに多発、次いで多いのがカルシウム結石でこれは高齢に多発、と言われていました。
しかし最近のデータでは若齢でもカルシウム結石が多くなっておりまた発生数もストラバイトより多いらしいです。
言われてみると確かにそう思います。と言うかストラバイトはほんとに少なくなったと実感しています。

これまで当院で確認した経験のあるものは、上記の2種類以外で、尿酸結石・ケイ素の結石があります。
これらは割と珍しい部類になると思いますが・・・
尿酸結石はレントゲンに映らないという特徴があります。そのため確認が非常に難しいです。また好発犬種としてダルメシアンがいますがそれ以外ではダックスフンドとシーズーで経験があります。
ダルメシアンの事例では痛い目に会いました・・・
血尿が出る、ということで来院されエコーで小さいながらも多数の結石を確認しました。またレントゲンでは映らなかったので犬種のこともあり尿酸結石でしょうという診断をしました。ホントなら直ちに手術を、となるのですが連れてきた人が代理の方だったため飼い主さんに連絡をしてから、ということで数日間が空いてから手術となりました。さて膀胱を開けてみると・・・ないんです。石が一個もないんです。さすがにいや〜な汗が流れました。仕方がないのでそのまま膀胱を閉じて飼い主さんへ連絡したのですが、必死で説明してなんとか納得してもらえました。しかし石はどこへ行ったのだろう?と不思議でした。それから数年後ある動物病院へ遊びがてらお邪魔してましたらたまたまその犬と飼い主さんが急患で来院され、ちょこっと挨拶をしてから診察を見てました。症状は腹痛を訴えるということだったのでレントゲンを撮ろうか、とそこの先生が準備をしている際に犬がドタバタしだして、あれあれと思って見ていたらおしっこをしたんです。それも小さな石をポンポンと噴出しながら。周りの人間も私も呆然とそれを見てました。まあ出るわ出るわで後で集めたら50個ぐらいありました。その時になって初めて分かりましたね。私がお腹を開けた時に石がなかった理由が。この犬は器用なことにペニスから石を噴射できるヤツだったわけです。マシンガンのように石を発射する犬、としてしばらくは話のネタにしてましたが(笑)

さて、思い切り話が脱線しました。
今回の症例はプードルで石はシュウ酸カルシウムでした。この石は薄い層状のものが積み重なるように形成されるので端っこは非常に鋭い状態になっていますし、また主体がカルシウムですから骨と同様の物質ですので非常に硬いため、容易に膀胱の粘膜を傷つけます。
手術の際、膀胱を開ける前に何箇所か糸をかけて支持縫合を行います。
これによって膀胱が腹腔内に落ち込むのを防ぐのです。

そして膀胱を切開して中へ。

膀胱は通常でも血管が多く、膀胱炎があるとさらに小さな血管が増生してきますので割と出血が多く見られます。
そしていよいよ中の石を取り出します。


今回は小さな石でしたが角が尖っているので粘膜を傷つけやすいんですね。

また、話がずれますが(笑)
現在膀胱結石の成分分析をしてくれる検査センターが国内にはありません。昔はいろんなところで検査してくれたんですけどね。
今はアメリカへ送って検査、となってまして非常に面倒です。
この症例も石もアメリカで検査したわけですが、検体となった石は今でも異国の地アメリカにあるんでしょうねぇ・・・

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