岡本動物病院

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ニュースレター

猫の下部尿路疾患

院長 / ニュースレター / 2014.11.23 23:14

以前は「FUS」と言ってましたが現在は「FULTD」と統一されました。

猫の場合、私の経験上犬のような大きな膀胱結石はあまり診たことがありません。
膀胱内結石があっても小さなもので1cmを超えるものはほんの数例だけでした。

今回の症例は2歳のオス猫です。
メスは尿道が短いのでオスほど顕著な症状は見られませんが、オスはペニスの分だけ尿道が細く長くなるため結晶物が出来た場合、尿道に詰まってしまっておしっこが出なくなることがあります。
その場合、鎮静ないしは麻酔処置をしてから尿道内にカテーテルを挿入して閉塞を解除します。

ストラバイトの場合、尿のpHがアルカリ性で生成されますので酸性の溶液で溶解することができます。海外にはそれ専用の溶解液がありまして、ストラバイトはよ〜く溶解できます。しかし、この溶液には唯一の欠点というのがありまして、酸であるため粘膜の刺激が強くて、要するに「滲みる」んです。
当院でも以前は使っていましたが、刺激性がどうにも気になってしまい今は使っておりません。
今は水道水に塩を混ぜて電気分解処理をして作る「超酸性水」というものを使用しています。
これはpHは1.5程度の酸性なのですが酸ではないので組織刺激性がほとんどありません。
ちにみに・・・酸とか酸性についてはあえて説明しませんよ(笑)
これもストラバイトをよ〜く溶解します。
実際に顕微鏡下でストラバイト結晶がどれぐらい溶けるのか観察したことがありますが、専用水に比べるとちょっと時間はかかりましたけどシュワシュワ〜という感じで溶けていきました。
この溶液を注射器にとり、カテーテルを挿入しつつ尿道内に圧迫注入しながら少しずつカテーテルを挿入していき最終的には膀胱内までカテーテルを到達させます。
そしてカテーテルをそのままにして超酸性水で膀胱内を何度か洗浄します。
超酸性水でストラバイト溶解と膀胱洗浄をするようになってからはカテーテルの留置をしなくてもほぼ全例で翌日から自力排尿ができるようになりました。



排便は数日なくとも命に支障はありませんが、排尿ができなくなるとあっという間に腎不全を起こしますので大変危険です。
尿道が詰まっている場合の尿は出血尿で真っ赤となってます。
緊急度の高い疾患ですので、おしっこが出ていないというのに気づいたらすぐに病院で処置を受けてください。

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