岡本動物病院

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院長のブログ

原因と結果

院長 / つぶやき / 2018.4.5 11:15

いつもいつも頭にあることなのでいろんなことに興味があります。

例えば胆嚢炎という病気についてですが

「どうしてこの犬は胆嚢炎になったんだろう」

といつも考えています。

そもそもは老齢性疾患であるはずで
高齢犬であれば「経年劣化」ということで説明がつくんですが
若齢で胆嚢炎になっているのを診た時には
その原因が気になってしまいます。

ただいくら資料を集めても、この病気については詳細がいまだ不明です。
となればこれまでの経験をフルに生かして
自分なりの原因を考えてみようとなりました。

そうして考えてみるとやはり食事というのが第一に出てきますが
そして好発犬種がいることも明白です。

それから忘れてはならないのは「ストレス感作」です。
ストレスが様々な体調不良の原因となっているのは
人間だけのものではなく動物にもそれはあるわけです。
ではどんなことがストレスになるのか、ということについては
飼育環境や犬種によってまちまちなので一概には言えません。
ただ聞き取り調査をしていると「これだな」というのはわかってきます。
ただしたいていの場合それを取り除くことは不可能なんですが。

割と有名なんだけど見落とされがちなのが
ホルモン分泌との関連でしょう。
例えば甲状腺機能低下症という、これも一部を除いては老齢性疾患ですけど
これが胆嚢炎の原因になる、とされています、が
厳密に言えば、原因ではなく「悪化要因」の1つであるというのが正しいです。
教科書には甲状腺以外に副腎皮質ホルモンについて書かれているものもあります。
しかしこれも悪化因子であって直接原因ではないですね。
そしてこれらのホルモン以外にも女性ホルモンが関わっていることもわかっています。

性ホルモンに関しては実は避妊手術をしてあるかどうかも関わってくるんです。
避妊手術を受けている場合、これが特に若齢時に行われていると
中年以降になってから胆嚢炎リスクが上がってくるのは統計的な事実です。
また甲状腺ホルモン低下も同じく避妊手術済みの場合には罹患率が上がります。

こうして考えていけばいくほど原因追求が難しくなるのがわかります。
おそらくは原因はそう単純なものではなく
色んな要因が関わってくるんだろうな、というのが現状の答えです。

となればどういうことが言えるのか、となりますが・・・

すべての犬が胆嚢炎になる可能性がある、ということなんです。
だからすべての犬で腹部エコー検査をすれば早期発見や
病態の確認が出来るだろうと思ってます。

結論としては、誰でもなる病気、ということなんですね。

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