岡本動物病院

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院長のブログ

異物過剰反応

院長 / つぶやき / 2020.3.26 10:49

いわゆる「アレルギー」というヤツです。

私が獣医師になったのは平成元年ですので30年も前になりますが
その頃は犬猫のアレルギー疾患ってのをほとんど聞いたことがありませんでした。
しかし年を過ぎるに連れドンドンと眼にする、耳にすることが増えてきて
今ではごく普通にみるようになりました。

これについては免疫学が絡むことなので色々と複雑なメカニズムがあるのでしょうが
現場の人間としては少々厄介だなと言うことが増えてきました。

通常のアレルギー疾患の治療はいいんです。
既に症状が現れているわけですから。
ただ問題なのは薬に対するアレルギー反応なんです。

随分前にケタミンと言う薬に対して急性アレルギーを起こした犬がいました。
ケタミンは現在は麻薬指定となっていますが麻酔薬としてあるいは鎮痛剤として
頻繁に使われていたものですが特にアレルギーが問題になるようなものではなかったんです。
実際、ケタミンでアレルギー反応を起こした犬は後にも先にもこの一頭だけです。

その後、ケタミンは今でも使いますが、以前ほど頻繁には使っていません。
それは麻酔薬として、次々に新しいものが販売されるようになりまして
それらはケタミンよりも安全性が高いので当然そちらを使うわけです。

手術の際に麻酔をかけるわけですが、これも昔と今では方法がまったく違います。
昔は麻酔薬のみで手術、と言う時代でしたが
今は術前から鎮静・鎮痛処置をきちんと行ってから麻酔薬投与となっています。
そうすることでより安全に麻酔がかけられるということなんですが
その代わり使う薬の数・種類が増えてきています。
実はココが問題でして・・・

既往歴のない、若くて健康な犬での手術、例えば避妊や去勢手術など
こういう場合も鎮静・鎮痛ときてから麻酔となるわけですが
手術中に、どうみてもアレルギー症状だろ、と言う事例がちらりほらりあるんです。
そんなに酷い症状のものは今のところないんですが
10年ぐらい前に一度酷い症状を起こした犬がいました。
もっともこの犬は突然の皮膚発赤・痒みを起こす犬でして
ただすぐに赤くなる代わりにすぐに治まるということを
何度が繰り返していました。
それゆえ急性アレルギー反応なんだろうけど・・・原因がわからないというもので
こういうパターンは非常に厄介です。
原因がわからないと言うことはいつ何時症状がでるか、または何に対して気をつけるべきなのか
と言うことがわかりませんから。
結局手術中の出来事ですから使用した鎮静剤、鎮痛剤、麻酔薬のどれかに反応しているはずなんですが
どれだかわからないんですね。

そして時が経ちここ最近のことでも、一件軽度ではありましたが
手術中に発赤を起こした事例がありました。

手術の際に使う薬は、日常生活では暴露することは無いので
薬だけに反応するということであれば何の心配も無いんです。
ただアレルギー疾患は、たいていの場合で原因が1つではないんです。
似たようなものに対しても反応する、あるいは反応するようになるんです。

何らかの疾患となり投薬治療が必要となったとき
治すための薬でアレルギーが起こると
それは使えないという事になりますので
治療の選択肢が狭まってしまいます。

そう多い事例ではないんでしょうけど
薬に対するアレルギー反応ってのは
あって欲しくない、と言うのが本音です。

でも実際にはあるんですよね・・・
誰が悪い、何が悪いということではないんですけど。

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