
最近よく聞く単語でしょう。
腸活 要するに腸内環境を整えましょう、ということですが
腸内環境を整えるとはどういうことかと言いますと
動物の腸、つまり小腸から大腸がありまして
そこには微生物がたくさん存在しています。
大きく分けると2種類になりますが
いわゆる「善玉菌」と「悪玉菌」と称されるもので
こちらも耳にしたことはあるかと思います。
善玉菌は体に有益なもので
悪玉菌は体に悪いもの、とご理解ください。
ただ世の中もそうですが(?)
善玉より悪玉の方が多いんです(笑)。
腸内も同様なのです。
しかも世のヒーローと違って
腸内の善玉菌は非常に弱いです。
ウルトラマンのようではないのです。
だから善玉菌は定期的に追加しないとダメなんですね。
追加というのは「食べる」ということなのですが
いわゆる善玉菌というのは有名どころで言うならば
「乳酸菌」です。
食事としては発酵食品に多く含まれています。
例えば納豆などは有名ですね。
後はヨーグルトとか。
飲料ではヤクルトが有名ですが
最近では色々なメーカーが乳酸菌飲料出してますね。
大学時代、微生物学が面白くなって
とある研究室に出入りして細菌の分離や培養といったことを
先輩のお手伝いとして行ってたことがあります。
ただ学問として学ぶのは悪玉菌のことについてが圧倒的でして
病原菌とか、そっちのことばかりでした。
まあ、獣医師ですので現場では病原菌のことを知らないと
病気もわからん、治療もわからん、じゃ役に立たないですから。
なので、善玉菌のことをほとんど学んでないんです。
今考えると変だね、片手落ちだねと思いますが。
最近になって腸内細菌についての色んな記事を目にするようになりました。
学術論文的なものも含めて、です。
そこで特に注目すべきは腸内環境を整える、つまり
善玉菌を増やすようにすると、免疫系が活性化する、ということです。
今某有名メーカーさんが「免疫ケア」という商品を販売していますが
これも乳酸菌の1つなんです。
免疫系が活性化するとどういう利点があるかと言うと
今旬なことで言えば、インフルエンザに罹りにくくなるということでしょうか。
また今日見たニュースではアマガエルの腸内細菌から
培養したもの、乳酸菌ではありませんが、が
人のがん細胞をやっつけることが証明されたとありました。
これはびっくりですがとても有益なことですね。
がん治療と言うと、外科手術、抗がん剤、放射線など体に負担が多い治療しかありませんが
もしもこのアマガエルからとってきた(もらってきた)細菌だけで
がん治療ができるならば体にほぼ負担ありません。
早く現場で使えるようになるといいですねぇ。
もし自分ががんになって治療を受けるとすれば
痛くないのが一番いいんです。
獣医療でも善玉菌による治療はあります。
とは言え薬ではなくサプリメントになります。
しかしサプリメントという名でありながら
効果は結構期待できるものです。
当院でもいくつか使っていますが
現在これはいいぞと使っているのは1種類だけなんです。
他のものは、う〜ん どうだろ、と判定して使わなくなりました。
乳酸菌は健康維持、病気の治療、免疫活性化に有効なのはすでに証明されています。
そして強くなく非常に弱いこと、これが難点でして
生きたまま腸に届く、というCMのセリフがまさにそうなんです。
腸内に届くまでに大きなハードルがありまして
それが「胃」ですね。
胃から出る強烈な酸性液である胃液によって
ほぼすべてやっつけられちゃうわけですよ。
この胃酸のハードルを乗り越えなきゃならないので
当院で使っている動物用サプリメントはカプセル製品です。
しかもサイズが大きいんです。
中型犬なら大丈夫なのですが、小型犬や猫では投与がなかなか難しい。
カプセルを割っちゃダメ、という制限があります。
人ならばゴクンと飲めますけどね。
個人的にはカプセルの中身を出して水分と混ぜて直腸から
注入したほうがいいじゃなかろうかと思っています。
実際に人の方でこの方法は「便移植」ということで行われているようですし。
ただ問題は肛門からだいぶ奥へ注入しないとダメなんだろうなと思ってますが
誰か実験して証明してくれるのを待っております。
健康維持、病気予防など細菌のもたらす恩恵は
これからまだまだたくさん解明されていくのではないかと期待しています。
そして出来ることならば私が存命中に何かしら臨床の現場で使えるようになってほしい、と
切に願っております。
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