岡本動物病院

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院長のブログ

跛行の場合

院長 / つぶやき / 2017.8.12 23:30

要するにびっこの原因は何だ?と言う時には
いきなりレントゲン検査しちゃダメですよ、と言うお話。

自画自賛の診断でした。

やや肥満傾向のダックスが後肢の跛行を訴えて来院しました。

肥満傾向・ダックス・後肢跛行
この3つが揃うと椎間板疾患を真っ先に考えます。
そうならばレントゲンで確認、となりますが
その前に問診をもうちょっと詳しくとることと触診が必要です。
これを飛ばしていきなり検査はしちゃいけません。

触診では疼痛、麻痺の症状があるかどうか、です。
腰部から股関節、大腿部、膝関節、下腿部、足根関節、指骨と行っていきます。
しかし全く異常所見がありません。
という事で麻痺の症状もなし。

さて、何が跛行の原因か。
飼い主さんの話をもう一度反復してみましょう。

昨日シャンプを自宅で行った。
その際結構暴れた。
シャンプーの直後に跛行があった。
跛行のパターンは「足を挙げた状態」
今日は跛行が治まっている。

シャンプーの際にトラブルがあったのか?
例えば、無理やり体をこすったり足を引っ張ったり。
ならば痛めるとするならば関節の可能性があるけれど
触診では反応が見られない。
筋肉を傷めたのか?
ならば関節同様昨日から今日で痛みが強くなるならいざ知らず弱まっているからおかしい。
骨折ならなおさら昨日より痛みが強くなるはず。

シャンプー後に何かあったのか?
しかし転んだとかそんな話は全くない。

足をもう一度よく診てみると爪が非常に長くなっており
散歩に行ってないんだろうなと言うのはよくわかる。
ひょっとして内またあたりに何かあるかな?と思い体をひっくり返してみる。
じ〜っと観察してみると・・・趾間の皮膚を含め炎症らしきものはないけれど
長くなった爪が1本だけ根元から折れてました。
出血痕はあるけれど今は出血なし。
折れた詰めはほぼ皮一枚で繋がっている感じ。

という事で原因は爪が折れたことでした。
繋がっている部分を切って止血処置をしておしまいです。

もしも確認せずいきなりレントゲンを撮っていたら
ダックス特有の椎間狭窄を見つけて
変形性化骨も見つけて

「多分椎間板障害でしょうねぇ〜」と言いつつ
鎮痛剤を出して終わりだったでしょう。

血液検査、レントゲン検査、超音波検査など
実施すれば何かしら所見は得られるかもしれませんが
真実はその中にはなかったわけです。
やはり視診・聴診・触診を先に行うべきなんですね。

まずは自らの体を使って検査することが大事ですよ。
それで診断がつけばコストもかかりませんし
飼い主さんも満足じゃないでしょうかね。
レントゲン撮れば病院側は満足かもしれませんが
無駄な検査はしない、と言うのは医療も獣医療も同じだと思います。

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