岡本動物病院

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院長のブログ

保定術

院長 / つぶやき / 2017.10.19 18:16

診察時に動物の体を動かなくする術です。

保定術とは、学術的に言えば「関節を極める」ってことになるんですけど
これが通用すると思ってたら案外と危ないです。
確かに関節を極められたら動けませんが
我々の目的はギブアップをとることじゃありません。

いかに苦痛を与えないで、なおかつ動きを制するかと言うことなんです。

「こんな暴れる猫は診察できない」と転院される方が結構います。
確かに猫は暴れますよ。特に初見でいきなりゴロゴロいう方が珍しいです。

暴れる猫には理由がありまして、それは大きく分けて2つあります。
1つはそもそも人馴れしていないため攻撃的になるもの。
もう1つは怖いのが先に立って防御するもの。

人馴れしていないため、野生の本能のと言うべき攻撃性を表す場合
診察する以前の問題なので、飼い主さんが病院に連れてくるのが一苦労ですね。
そういう場合、事前に電話などで連絡を受けていれば
「洗濯ネットに入れてから連れてきてください」と言います。
もっともそんな飼い猫はほとんどいませんが。
過去に最大級に狂暴だった猫は「網」に入ってきました(笑)。
聞けば、一応室内飼育らしいんですが、そもそも捕まらないし触れない猫で
それをここまで連れてくるのに部屋のふすまをあけてそこに網を仕掛けて
猫を追い込んだ、らしいです。
確かにこの猫は病院内でも暴れてくれました。

ただ多くは「怖くて防御」と言うパターンですので
これは関節を極める方法ではなく
「安心させること」でOKです。

安心させる方法・・・どんな秘術だと思いますか?

実はとても簡単で単純なことなんですよ。
理屈ではないです。
シャーシャーいうのはおさまらないですけど
暴れることはなくなりますね。

ウチには「猫たらし」がいまして、これがまた上手にさばくんです。
若い頃は全くダメでしたけど、長年の経験から出来るようになってきたんでしょう。

怖がる猫の場合の対処には2人必要です。
一人は怖い対象で、もう一人が避難場所になれば
必然的に避難場所へ逃げますし、そこで体を丸めて「隠れる」ことになります。
そのままの状態で採血なりなんなりの処置が出来るわけです。

飼い主さんがそこにいれば飼い主さんが避難場所になりそうなものなんですが
これは人間がいう理屈で、動物には通用しないみたいです。
怖い場所、つまり動物病院であれば怖い対象は目の前の獣医師です。
飼い主さんはそこに一緒にいるんですが、猫にすればもう一人見知らぬ人間
スタッフがいるわけです。
その場合、どっちが敵? どっちが味方?と考えるようで
飼い主さんは味方に決まってますから、それ以外の見方を探すようです。
獣医師は敵ですので(泣)、もう一人の側に救いを求めてきますから
その時に「抱きしめて」やれば安心するわけです。

英語でいうとスキンシップと言うことなんですけど
こういう場合には日本語の方が情緒があっていいですね。

「抱きしめる」

これで安心するのは赤ちゃんもそうですし
哺乳類全般に共通するんじゃないでしょうか。

ちなみに攻撃性満載の場合には、お互いけがをしてもつまらないですし
そもそも具合が悪くて病院に来てるわけですから余計な負荷をかけてはいけません。
そのため「鎮静剤」を使って、心身ともに安定させてから処置をします。
鎮静剤を使うことでリラックス効果もありますから
ストレスなく処置が出来るんですよ。

と言うことで、暴れるからと言って診察拒否することは
当院の場合はありませんので、ご安心ください。

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