エコーが診断の要ではありますが。
エコー検査で何を診るか? という事なんですが
単に胆嚢内部のスラッジ(白く見えるもの)があるかどうかだけでは診断は出来ません。
白いもやもやしたものが見えれば「胆嚢炎」と言う診断は出来ますが
疾患の程度がわからねばその後の治療方針が立ちません。
胆嚢炎と診断して、投薬を開始することは一概に間違ってはいませんが
内科治療で治るのは30%しかなく、その30%に入ったとしても
生涯投薬必要となります。
これは治ったとは言わず、調整しているといった方が正しいでしょう。
学会でも何ら統一意見は出ていないようですが
個人的には胆嚢炎を完治させるには外科対応しかないと思ってます。
手術が出来る状態にない、あるいは飼い主が望まないという場合や
まだ緊急性がないという場合に内科治療、つまり投薬治療が行われるものと思っています。
ただ手術が出来ない状態にないというのはどういう状態か、と言うと
他疾患がありそちらが優先される場合です。
また緊急性がない場合には、食事管理が第一となり
投薬は、以前は行っていましたが最近は薬ではなくサプリメントを使用しています。
これは薬を使っても、サプリメントでもその効果に差がないことが分かったからです。
飼い主が望まない場合・・・これが一番困る所です。
経済的な問題、心理的な問題などなかなかこちらからクリアに出来ない場合は
手の打ちようがありませんが、数多くの症例を診てきた立場の人間としては
今の状況を放置すれば近い将来どうなるかがわかります。
手術が必要と判断した事例では、多くの場合不幸な結果になってきます。
詳しく調査したわけではないですが、私の知る限り1年は持たないことが多いです。
診断技術レベルは、経験を積んできていますので年々向上します。
エコーの画像解析も機械のチューンをしていますので
年々精密になってきます。
これらを駆使して最終的な診断を下すわけですが
それによって1頭でも多くの動物を救いたいと願っています。
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