岡本動物病院

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院長のブログ

マーキングか 頻尿か

院長 / つぶやき / 2018.1.31 09:17

寒くなると多くなる問題です。

この時期になると雄猫の去勢手術の依頼が増えます。

「マーキングをするようになった」
「トイレ以外でおしっこをするようになった」

実は、これらがすべてマーキングとは限りません。
マーキングであれば去勢手術はそれを抑える方法として有効ですが
もしも「膀胱炎」ならば問題は解決しませんし
余計に症状が悪くなることもあります。

実は冬場は膀胱炎の多発時期なのです。

その原因として、夏に比べると水を飲む量が減ることと
寒くなって活動性、つまりあまり動かなくなり
尿を溜めこんでしまうことが多くなる、とされています。

膀胱炎の症状は「頻尿」や「血尿」ですが
この頻尿についてご存じない方が多いのでここで説明しておきましょう。

まず頻尿、おしっこの回数が増えるということについて
正常な膀胱であれば、猫の場合、1日の排尿回数は

『1〜2回です。』

3回以上になると頻尿の可能性が高くなります。
特に、普段から排尿回数が多いという猫の場合は
飼い主さんも気にしていないことが多いようで
気付かずに病態が進行していることも多々あります。
そして頻尿の場合には1回の排尿量が少ないです。
ちょこちょことトイレに行ってもじゃ〜と出ないというのが頻尿です。

これに対してマーキングは、英語では「スプレー」と言いますので
ちょうど霧吹きのように「シャッ」とかけるのが特徴です。
つまり床に水たまり状になることはあまりありません。

マーキングは「ここは俺の(私の)縄張りだ」という主張ですので
相手が必ず存在します。
つまり・・・他の猫あるいは動物(人間も含む)に対しての
アピール行為です。
マーキングをしている猫にとっての「相手」が存在する限りマーキングは続きます。

例えば雄猫の場合、マーキングは顕著に見られる行為ですが
これには男性ホルモン分泌が関わっていますので
性的に成熟してから、というのが原則です。
雄猫が性的に成熟するのは生後1年前後と言われていますので
1歳未満でマーキングをする場合には環境に原因があります。
例えば複数・多頭飼育をしている場合には
性的成熟は早まります。

多頭飼育をしている場合にはトイレも縄張りになってきます。
トイレの数は「猫の頭数+1」と言うのが基本です。
つまり2頭いるならばトイレは3つ必要という事です。
ただ1頭であればトイレは1つで構いません。
要するにトイレの共有はダメですよ、という事です。

動物の場合、親子だからとか兄弟だからと言う人間で言うところの
常識は通用しません。
だから母猫と子猫(オス)が一緒に生活していた場合
子猫が性的成熟を迎えれば普通に交尾します。
親子だから大丈夫などというのは人間側の単なる思い込みなのです。

マーキングなのか頻尿なのかは診察、検査をすればわかります。
マーキングであれば去勢手術となりますが
膀胱炎であれば治療となります。

正確に見極めておかないと後々大きな問題になる可能性がありますから
まずは診察を受けてください。
正しい判断が必要ですから。

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