院長 / つぶやき / 2018.3.12 23:19

メリットとデメリットを明確にしてからの方がいいでしょう。

一番問題になるのは、薬の購入でしょう。
先日も大阪で獣医がフィラリア予防薬をネット販売して検挙されました。
この獣医はそれまでにもネット販売をしており
そのつど行政から指導を受けていたにも関わらず
繰り返すという事で悪質とみなされたようです。
まあ、当然のことです。

次いで問題となるのは処方食の購入です。
行政はこれを由としておりません。
これまた当然のことではありますが
処方食は病気の治療のために使用されるものですので
それが必要と判断するのは獣医の任務です。

ただこれにはちょっと猶予すべきこともあります。
例えば病院から遠方に居住の場合など
特に島根には離島がありますので
こういう場合にはちょっと猶予してもいいんじゃないかなぁと
思わないでもないです。
もちろん当院の場合には連絡をもらって送付することもしていますので
そのほうが理想的ではあります。
なぜなら電話で連絡をもらうんですが
その都度こちらから様子を聞けますから。
ネットでの購入をされている場合には
その間の様子や状態が全くわかりません。
それでも通院されていれば状態を把握することもできますが。
定期的な通院がなければ病気の進行程度や
現状の様子などがわからないので
何かあった時にこちらも１から診察をすることになります。

実は今日来院された方の実例をご紹介してみましょうか。
飼い主さんも高齢で、猫も高齢です。
この猫は若いときにストラバイト尿石で排尿障害を起こしており
それ以来処方食（ｐＨコントロール）を給餌していました。
２ｋｇのドライフードですので大体１か月に１回購入に来られていました。
その都度状況を聞いていたんですが、年数が経って
こちらもそろそろｐＨコントロールは止める時期だなぁと
（ｐＨコントロールは高齢になった場合には止める必要があります）
そう思っていた矢先に体調不良を訴えて診察しました。
予想通りの問題が発覚したのですが
状態が悪かったので数日入院処置として
退院後は別の処方食（腎臓サポート）へ切り替えました。
今日は腎臓サポートに切り替えてから
つまり退院してから初めての診察だったのですが
排尿状態・食欲などを聞き取り、体重チェックなど行い
順調に回復していることを確認できました。
診察の合間には普段の生活状態や
実はこんな癖があるのよ、という飼い主さんからの猫のエピソードを聞いたり
これらも今後のケアには必要な情報です。

病院で買うよりネットの方が安い。
これは現実です。
しかし病院で購入するには
無形のメリットがたくさんついてきます。
こちらを優先するかどうかは
飼い主さん次第です。

ただこちらとしては「つながり」を
大事に思っています。

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