岡本動物病院

お問合せは0852-31-6119まで

院長のブログ

動物由来感染症

院長 / つぶやき / 2018.3.14 21:56

千葉の方で獣医師が感染したようです。

ブルセラという細菌です。

ちなみに・・・世間で言うところのブルセラとは何の関係もありません。

我々の領域では犬に不妊・流産を起こす細菌として有名で
厄介なことに人畜共通感染症であるという事です。
今回感染した獣医師は男性という事ですが
同じ病院のスタッフも感染してたら大変なことになります。
特に未婚の女性であったらその人の今後の人生が大きく変わる可能性がありますから。

そう、人でも同じ症状が出ることがあるんです。

こう考えてみると我々の仕事も危険と隣り合わせです。

先日ある獣医と話をしてたんですが
野生動物、とくに野鳥の扱いについてですが
当院では野鳥の保護は一切していません。
理由としては治療のノウハウがないことと
収容施設がないことです。
また野生動物は行政の管轄になりますので
保護したという連絡があった場合にはそちらへお願いすることにしています。
話をしていて獣医は病院内で預かることがあるという事でしたので
行政の方へ連絡した方がいいよと教えました。
野鳥の場合に気を付けなければならないのは
オウム病とインフルエンザです。
オウム病は抗生物質で治療可能ですけど
インフルエンザは、もしも新型インフルエンザであった場合
そしてそれが高病原性であった場合には
その病院を中心に患者が発生することになる可能性があります。
万一、という呑気な状況ではないんですね。

鳥由来インフルエンザはマスコミの興味が薄れてしまっているようですが
新型、しかも高病原性インフルエンザはいつ発生しても全くおかしくないんですよ。

有名な話では第一次世界大戦を終息させたのは
当時流行した新型インフルエンザと言われています。
そのウイルスは地球上に新たに発生したもので
地球上誰も抗体を持っていなかったので
あっという間に地球上に蔓延しました。
しかも高病原性であったため実に多くの死者を出しました。
そのため兵隊さんたちも感染が流行して
人員不足になったと言われています。

元々野生動物の事についてはわからないことが多すぎるんです。
考えてみれば当たり前のことですが
野生世界の常識を我々は知らないんです。

例えばエボラ出血熱と言うウイルスの自然宿主は未だ不明です。
地球上の何らかの生物が保有しているはずなのは間違いないんですが
それが何なのかは未だにわからないんです。
だからウイルスが出現するタイミングも場所も検知できません。
しかもこのウイルスはある日突然発生し
あっという間に周囲へ拡散し
そして死亡率は70%に及びます。
人間以外の動物であることは間違いないわけですから
どこかが誰かが接触しているはずなんですが
それがわからないので防ぎようがないです。
もしもこのウイルスを保有しているのが
ある種の野鳥だとしたら?
そしてそれを保護して接触したら?

皆さんが知らないだけで、動物由来感染症は非常に数多くあります。
不用意に安全性が担保されていない動物に触れるのは止めた方がいいでしょう。
皆が安全に暮らすためには危ういものには触れない方がいいんです。
そもそも野生動物と我々とは違う世界に生きているんですから。

| comments (0) |

コメント

コメント投稿

【必須】



【必須】

  • トップページ
  • 診療について
  • 当院のご案内
  • 診療時間&交通アクセス
  • 避妊・去勢手術について
  • 検診のご案内
  • スタッフ紹介
  • お知らせ一覧
  • ニュースレター
  • お問い合わせ

院長のブログはこちらから

読み込み中・・・

このサイトはjavascriptを有効にしてご覧ください。また読み込みにお時間がかかる場合がございます。

Calendar

<< 2024年05月 >>

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
690-0015 島根県松江市上乃木4-29-21 Tel:0852-31-6119 (診療時間) 午前 9:00〜12:00 午後 4:30〜07:00 (休診日) 休診日は、日・祝日です。 (注)水曜日午後は手術日としており大きな手術を行っています。水曜日午後と夜間は電話が留守番電話に切り替わります。

当院は診療料金を現金の他、クレジットカード(VISA・MASTER)、WAONで支払いいただけます。

※支払い回数は1回のみです。
※WAONのチャージはできません。