えっ それが痛みなの?ってことが多々あるんです。
それを見逃さないことです。
猫の場合は特に難しいんです。
なぜなら猫は痛みがあるときには
「動かないから」
要するにじっとしているだけですから
その姿を見て「痛がってる」とはなかなか気づかないでしょうね。
ただ、痛いときはどうするかと言うのは
わが身に置き換えれば非常にわかりやすいんです。
ちょっと痛いぐらいなら動けますが
滅茶苦茶痛いときには動けないでしょう?
それと同じです。
痛みの場所によってもいろんな仕草があります。
四肢の関節なら、手でさするでしょう。
動物はその部分を舐めるんです。
ただグルーミングとは違ってしつこく舐めます。
挙句毛を引き抜いてしまう事もあります。
だから関節部分の脱毛があった場合には
皮膚炎を疑うより先にもっと奥の関節炎を疑った方がいいですね。
ちなみに・・・
痒みと痛みは同じ神経で感じてます。
程度が軽ければ痒みで
程度が重ければ痛みと感じるんです。
お腹の痛みの場合もいろんなバリエーションがあります。
人間ならお腹を丸める姿勢を取ります。
動物の場合にも同じ姿勢を取ることがあります。
しかしもっと強い痛みならお腹を丸めることさえ痛いという場合には
逆に背中をそらせる姿勢を取ります。
これは、ランニング中にわき腹が痛くなることがありますね。
その時にお腹を丸めますか?
逆に伸ばして痛みを軽くしようとしませんか?
多分それと同じだと思います、が
動物がお腹を、と言うか背中をそらせる姿勢を取るときには
相当な激痛があるときだけです。
お腹の痛みの場合、呼吸が荒くなることもあります。
飼い主さんも「呼吸がおかしい」と言って来院されます。
その時に呼吸が荒い=胸部の異常だけ、とは思わないことです。
熱が出ているときにも呼吸は荒くなりますし。
呼吸器系の異常がある場合には、呼吸が荒いというよりも咳の方が顕著でしょうね。
ただ猫の場合、口を開けて呼吸をし続けている場合には要注意です。
呼吸器系かお腹の痛みかは別として
相当危険な状態の時しか開口呼吸はしませんから。
一般的に動物は我々人間よりも痛みに関しては
よく言えば我慢強いです(もっとはっきり言うと鈍いかも)。
少々の痛みでそれを表に出すと敵に襲われてしまうという
野生の本能が現れるんです。
人間には天敵がいませんから、寝転がってても襲われることはないですが
動物の場合にはそれぞれ天敵がいますので
それらにやられないようにしなければなりません。
ウサギに至っては死にそうなほどの重症でも食事をします。
「食べてるから大丈夫」と言うわけにはいかないんです。
過去に敵に襲われて頭蓋骨骨折していたウサギは
無くなる直前まで食事を食べてました。
これが動物なんです。
食べてるから大丈夫ではなく
食べ方がおかしいな、と言う時点で気付かないと
手遅れになるかもしれないんです。
ほんのわずかな兆候ですので
気付くというより「違和感」と言ってもいいかもしれません。
飼い主さんがそれに気づいてくれれば
後は我々獣医師が痛みの有無、場所、原因を特定すればいいんです。
時には鎮痛剤で行けるかもしれませんが
時には手術が必要な場合も少なくありません。
いずれにせよ目的は「治す」ことです。
痛いのをほっとくわけにはいかないですもんね。
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