岡本動物病院

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院長のブログ

パルボウイルス感染症

院長 / つぶやき / 2018.8.3 11:52

東京の猫カフェで発生したらしいですが

猫カフェと言うところへ行ったことがないので様子はよくわからないんですけど
複数の猫が店にいて、客が自由に猫と戯れることができるという風なんだろうなと思ってます。
そういう場所でパルボウイルス感染症が発生したというニュースなんですが
素朴な疑問として

「ワクチン接種してなかったの?」

昔はペットホテルなど利用する際にもワクチン接種までは言われてなかった時代もありますが
今は必須だと聞いています。
またドッグランを利用する場合にも証明書の提示が必要と聞いています。

不特定多数の犬や猫が直接あるいは間接接触する場で
混合ワクチン接種をしていない動物がそこにいるという事自体
大きな問題であることは間違いないです。

ましてパルボウイルスとなると話は非常に厄介ですね。
感染力が強く、病原性も強いです。
死亡率は10%を超えますから非常に危険な疾患です。
そして何よりも厄介なのは通常の消毒剤では
ウイルスを死滅させることが出来ないことでしょう。

よく「ハイター(漂白剤)で消毒」と言うのを聞きますが
パルボウイルスはハイターごときでは死滅させることは出来ません。

パルボウイルス感染症にはそれ専用の消毒薬を使わないとダメなんです。
それを使わない限りウイルスは延々と生き延びますし
パルボウイルス自体、細胞外でも延々と生き延びますから
そのカフェがどういう対処をしているかわかりませんが
獣医師の指導の下、きちんと消毒処置を取らないと
店の再開はむずかしくなるんじゃないでしょうか。
また完全に消毒できたかどうかを確かめす術もないですから
当分は休業となるでしょうね。

どこからウイルスが侵入したのかわかりませんが
いったん侵入するとややこしいことになります。
少なくとも発症を抑えるために(感染は防ぐことが出来ませんが)
ワクチン接種はしておくべきだったでしょうね。
そこにいる猫を守るためには。

ワクチン接種は自衛の手段です。

犬と猫を比較すると猫のワクチン接種率は極めて低いというデータがあります。
それはなぜか、という議論も一部にはあるようですが
議論を重ねたところで接種率が上がるとも思えません。

ウイルス感染に対しての自衛をどう行うか、については
ワクチン接種が1つの方法ではありますが
それ以外にもないわけじゃないです。

微生物学の専門知識を持っていればいいんですけど
この情報をどこから、誰から仕入れるかによって
結果は右と左です。

一番よくないのは「わかっているつもり」と言う姿勢だと思いますので
「つもり」を失くして欲しいところですが
これをすべての人に強いるのもこれまた無理でしょう。

そうならばワクチン接種を行うという方法が
一番手っ取り早いものともいえます。
しかしワクチンは感染を防ぐ方法ではないので
過信するのもよろしくないと思います。

全ては飼育状況にかかっている、と言うのがホントのところです。

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