岡本動物病院

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院長のブログ

腎臓病の時の食事

院長 / つぶやき / 2020.2.9 21:44

食欲が落ちている状態でも食べてもらわないとダメなんです。

特に猫の慢性腎臓病では治療方針がはっきりとしています。

まずは食餌療法
それから投薬とサプリメントです。

食事に関して、最近でもささみを与えている人がいます。
確かにかつてささみは体に良いと言われていた時代があります。
ただそれは「高蛋白・低脂肪」と言う点がピックアップされていただけで
ミネラル分、特にカルシウムとリンについては何にも言われていませんでした。

腎臓病では高蛋白食は血中のBUNを上昇させますので
与えることはよくありません。
可能な限り低蛋白にして不足するカロリーを脂肪で摂取させます。
そのため腎臓用処方食は高脂肪となっています。
またカルシウムとリンについては厳密な関係性があり
血中のカルシウムとリンの比率は2:1となっていますので
それを維持するには食事中の比率はほぼ1:1が理想です。
鶏肉は低カルシウム高リン食ですので
腎臓にはよくない食材となるわけです。

リンについては、寿命に直結するミネラルとされています。
つまり血中のリンが高い=寿命が短いということです。
特に腎臓病では進行すると血中リン濃度が上がってきますので
それを何とかして下げることを治療目標としますが
リンが下がらない場合には残念ながら救命できません。

普通食の高齢猫用はそれなりにリンが制限されています。
それゆえ子猫、成猫、老猫と各ステージに合わせた
キャットフードを与えていると先々で楽なんです。
と言うのが高齢猫用から腎臓用に切り替える際に
猫が違和感を感じずに切り替えがスムーズに行くことがほとんどですから。

猫は腎臓病になっても脱水のコントロールがうまくできれば
スムーズに生活ができることが多くあります。
その生活を維持する第一は食事管理なんですよ。

次いで投薬、サプリメントとなりますが
まずはサプリメント。
これは食事療法に連動します。
血中BUNが高いのでこれを下げるため
血中リンが高いのでこれを下げるため
それぞれの目的のために吸着剤のサプリメントを食事に混ぜて与えます。
それによって血中の数値を正常値に近づけることが可能です。
また腎臓病が進行すると腸内環境が悪くなりますが
これを整えるために乳酸菌製剤を食事に混ぜて与えます。
これらの混合したサプリメントもありますので
それを使うと便利ですね。

腸内環境の整備については
人の方でも重要視されています。
外国では「便移植」も行われています。
腸内環境の悪化が免疫力低下につながることもわかっていますし。
便移植は今後動物の方でも行われるようになるかも、ですね。

投薬については使う際に条件があります。
まずは尿中に蛋白が出ている場合。
腎臓性高血圧症を起こしている場合。
腎臓内血流が低下、悪化している場合。
これらが見られた場合にそれぞれ薬を選択して投与します。
そのためには血液検査だけでは物足りませんので
尿検査、血圧測定、腎臓エコー検査(ドップラー検査)が必要となります。
それらを駆使して腎臓の状態を細かく把握して
必要な薬を選択して使う、ということです。
逆に尿蛋白が出ていない、血圧も正常、腎臓血流もそれなりと言う場合には
投薬は必要ではない、と言うことになります。
ただしそんな場合でも食事療法は必要ですよ。

そうこうして考えてみると
腎臓病の治療は非常にシンプルです。
専門家によっては「治療の選択肢が少ない」と言う方もいますが
私はそうは思っていません。
腎臓の状態を把握できれば有効かつシンプルな治療でいいわけで
それで十分生きていけるわけですから。

| comments (12) |

コメント

途切れちゃいましたね。
二頭目は便秘があるようなので、私ならラクツロースを飲ませると思います。
慢性腎臓病はIRIS分類と言う国際基準がありまして、CREの数値で分類されステージ?から?まであります。現在の数値では?ですので重症と言う状態ではありません。蛋白尿が持続的に出ている状態ならば(膀胱炎ではなくて)ACE阻害薬もありですけど、蛋白尿がない状態ではやはり投薬は必要ないと思います。

岡本宏之 / 2020.2.26 21:25

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まいねこさん こんばんは。

まず一頭目については、データからは「昨年秋に急性腎不全を起こしたのち慢性腎臓病となって現在は安定している」と読めます。現在皮下補液を行っていることで安定状態になっているのではないでしょうか。脱水や貧血も大したことはないと思います。
二頭目については一頭目と同じレベルの腎臓病(IRISステージ?)で、このレベルで嘔吐が頻発するとは思えませんが・・・11月の時には膀胱炎あるいは尿道炎、感染症を起こしたのだと思います。腎臓の結石が原因かな?と疑問ですが、関係があるかもしれません。現在は頻尿も多尿もないようですので、一頭目と同じく「安定状態」だと思います。いずれも投薬が必要とは思えませんので皮下補液と食餌療法で良いんじゃないかな、と思います。二頭

岡本宏之 / 2020.2.26 21:20

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2匹目のつづき

体重は大きく増減した事は無く
食欲も少しは残しますがヒルズのK/Dだけ
与えています。
(ドライフードが異常に好きです)
この猫の気になる事は
1日1回の尿の量が
多量で私がぼんやりしていると
もしかして
1日1回も尿しない日も
あったんじゃないかと思われます。
うんちも便秘で3日〜4日に1回
多めの硬いウンチでして
関連があるか分かりませんが
毎日5分〜15分程
へんな鳴き声をし始めて
それからトイレに入って便や尿を
する傾向があり、
主治医に言って対策は無しです。
私が直接水を飲ませたり
難消化性デキストリンが入った
人間用のイージーファイバーと言う
商品があるのですが、食事に混ぜたり
していますが、あまり効果は
得られていません。この猫は
自宅輸液はしていませ

まいねこ / 2020.2.26 15:37

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2匹目(メス・推定9歳・体重4.2)
2019/11/21最新検査時(D医院)
※頻尿症状が出た為受診
ACE阻害薬服用中でもこの時は
尿検査のたんぱく尿、潜血、白血球が
すべて(3+)でした。
CRE2.76
BUN40.0
リン4.1
この時初めてレントゲンをとり
尿道と腎臓に石があると言われた。

過去のデータ
・2019/3/21健診にて
腎臓病と言われる。
臨床症状は食後嘔吐する日が
たびたび有。
CRE2.6BUN51.6リン未検査
ACE阻害薬とガスター混ぜ合わせた
粉薬を1日2回処方され現在も毎日服用中。

去年の3/21の初診時から
血液検査を1ケ月に1度程していたが
あまりCREとBUNの変化はなく
この数値より悪くなることは
なかったが、基準値に入る事も無く
毎回Htは50で血が濃いと言われ
WBCは3700程しか無い猫です。

まいねこ / 2020.2.26 15:21

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数値みて頂ける事に感謝します
1匹目去年、高値になった猫
(メス・現在3.8kg・年齢は推定7歳程)
1/25時点(最新検査・D医院にて)
CRE2.79(基準値0.8〜1.8)
BUN46.4(17.6〜32.8)
リン5.0(2.6〜6.0)
脱水気味だと言われた(TP8.0)

過去のデーター
2019/10/19(初診時)体重4.3程
(N医院にて)
CRE7.6(基準値0.8〜2.4)
BUN64(16〜36)
リン7.9(3.1〜7.5)
・10/26 CRE4.1BUN31リン5.9
・11/7 CRE10.1BUN65リン11.7
転院した(D医院)
・11/25 CRE6.32BUN84リン未検査
低カリウムだった(K2.6)
自宅輸液毎日100cc開始
・12/25CRE3.23BUN30.5リン6.7
貧血数値になっていた(Ht26.9)

まいねこ / 2020.2.26 14:26

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まいねこさん こんばんは。

ちなみに両猫のクレアチニンの数値はどれぐらいなんでしょう?よかったら教えてください。できればBUNとリンの値も欲しいです。
皮下補液量は尿量だけでは喪失量になりませんのでもうちょっと足した方がいいですね。基準量としては10〜30ml/kgとなっていますが、当院ではざっくりと50〜100ml/日としています。またACE阻害薬は急にやめても何にも問題ありません、どころか却って不必要投薬だった場合は調子が良くなることが多いですね。

岡本宏之 / 2020.2.25 18:29

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投薬する基準を教えて頂き
ありがとうございます。

2匹腎臓が悪い猫がおり
1匹は去年10月に、突然
末期の数値なり、それから
闘病が始まり1キロ減
今は一度に沢山は
食べれませんが、自力で食べています。
48時間おきの自宅補液で
脱水と逆の補液の入れすぎに注意したく
良い間隔を探している最中です。
思いついたのは
補液と次の補液の間にした
尿量を測り、120CC程尿をしていたら
120CC補液しています。補液の量を
判断するのに尿量を参考にするのは
どうでしょうか?

ACE阻害薬、2ケ月程
服用していたのですが
いきなり服用中止しても
大丈夫なものでしょうか?
よろしくお願い致します。

まいねこ / 2020.2.25 09:52

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まいねこさん こんにちは。

私は、蛋白尿が確認できない事例でのACE阻害薬投与はしません。そういう事例ではACE阻害薬の効果は期待できませんし、かえって血中BUNを上げることが多々あります。そうなってもなお投薬を続けることは禁忌です。
薬は「やっておいたほうがいい」時に使うものではなく「やらなきゃダメ」と言う時に使うものだと思っています。

岡本宏之 / 2020.2.21 15:52

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(続きです・・。すみません)
仮にたんぱく尿が出ておらず
血圧は測定出来なかった、腎不全の猫で
すでにACE阻害薬を服用を始めている
場合先生ならACE阻害薬の
服用は継続していったほうがよいと
思われますか?
私はACE阻害薬に関する知識もないのですがこの様な薬は服用をやめたり、また飲み始めたりする薬ではない様な気がした為
ぜひご意見をお伺いさせて
頂けたらと幸いです。

通院出来る範囲に
腎臓に詳しい獣医が居ない為
腎不全の猫を、自分が見て
やるしかない位の気持ちで
毎日おりまして
この様な質問をお許しください。

まいねこ / 2020.2.21 11:33

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岡本先生、おせわになります
ささみの解釈よく分かりました。
先生いつもありがとうございます。

腎臓病の投薬についても
ご質問させて頂きたいのですが
私の猫が腎臓病で行ってる動物病院では
血圧検査やたんぱく尿も確認せず
クレアチニンとBUNが高いだけで
血管を広げ腎臓の負担を減らすと言われて
ACE阻害薬を処方されて
もうすでに飲み続けております。
改めて投薬が必要なのか必要じゃないのか
確認してはみたいのですが
先生の言われるたんぱく尿の確認は
出来ると思います。しかし血圧測定は
私の行ってる病院では
猫は興奮してるから、ちゃんとした
数値は測れないとか言われ
測ってもらえません・・・。
自分で猫の血圧計も持っていない為
測ってやることが無理に近い状態でして・・。

まいねこ / 2020.2.21 09:53

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まいねこさん こんにちは。
まず誤解をしないで欲しいんですが、処方食の場合、原料は何であれ手が加えられているので問題はないんです。だから腎臓用処方食で鶏肉を使っていても大丈夫なんですよ。ただし一般食の場合は必ずしもそうではなこともあります。またササミ=鶏肉ですから高リン食材であることは同じです。魚を使っている猫缶はミネラル分が過剰ですから私は与えるべきではないと思っています。

岡本宏之 / 2020.2.12 13:41

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先生、いつも読ませて頂いております。
ささみが腎臓に負担をかけるのは
理解できましたが、ささみでなければ
鶏肉は大丈夫ですか?
ヒルズやカナンの腎臓病食のウエッドは
鶏肉や豚肉そしてそのレバーなんですが・・。
あと日本の猫缶はまぐろやかつおが圧倒的に多いのですが、それも腎臓に良くない食材ですか?腎臓病の猫にあげるフードはどこのメーカーがいいのか悩んでます。

まいねこ / 2020.2.12 11:53

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