アナログ人間ではそうなりますね。
私が開業した時には電気メスなど持ってませんでした。
それゆえ、特に乳腺腫瘍の摘出手術では「剥離」技術が必要なんですが
それが磨かれたと思ってます。
電気メスが普及するとそれを使って手術となるんですが
電気メスは「手ごたえ無く切れる」ので
本当に切っていいところと切ってはいけないところの区別がつきません。
それゆえ腫瘍組織を間違って切り込んだりする可能性が出てきます。
電気メスですらそうなんですが今後はレーザーメスなどと言う新しい機械が出てきまして
これになると「触れずに切れる」と言うとんでもない代物です。
指先に伝わる微妙な感触で切除部位を決めるという
手作業をしてきましたので触れずに切れるとなると
なんにも手ごたえありませんからハナから使うという選択肢はありません。
電気メスは持ってますし使ってますが
メインで使っているのは止血機能で
切開機能はほんの少しだけです。
例えば胆嚢摘出手術の時には
止血機能はバンバン使っていますが
切開機能はほぼ使いません。
手作業による剥離作業がメインです。
それによって結局出血量が抑えられるので
体に与えるダメージは最小限ですむわけです。
もっとも最新の技術機械を使いこなせるなら
その方がいいとは思いますが、使いこなすまでに
どれだけ時間がかかることやら。
剥離技術を身につけるだけでも10年以上かかりましたから
これから新しいものを身につけるに10年かかったとしたら
70歳近くになりますね。
その年で今のように手術が出来るんなら良いんですけど
さて、どうなんでしょうね。
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