院長 / つぶやき / 2022.3.3 17:31

種類の交雑ですね。

昔「雑種とは言わずハイブリッドでいいんじゃないか」と書いたことがあります。
それは雑種というと下に見られることが多いように思ったからで
カッコいい言い方にすればいいんじゃない？と言う軽い気持ちでした。

が

すでにハイブリッドと雑種とは内容が異なっているらしいことを先日知りました。
世間的に周知されているかどうかは知りませんけどね。

ある方のコラムからですが
ハイブリッドと言うのは純血種同士の掛け合わせで生まれたもので
第一世代を指すらしいです。
例えばチワワとプードルを掛け合わせて出来た「チワプー」？とか言うものだそうで
これに対して雑種と言うのは複数の種類での掛け合わせだそうで
例えばチワプーとチワプーを掛け合わせたらそれは雑種になるらしいです。

まあ、純血種でないならば血統書はないわけですから
それは交雑で生まれた雑種なんでしょうけど。
私が言ってたのはカッコいい言い方にすればいいんじゃない？ってだけのことなので
特に深い意味はありません。

ただ、問題なのはここからで
ハイブリッドと言われる種類はたまたま出来たわけではなさそうです。
意図的に掛け合わせて、要は新種を作ろうという人がいるらしいです。

それで新種を固定して新たな呼び名、登録を目指すってことらしいですが
ココには大きな落とし穴がある、と。

断っておきましょう。
私は犬種、猫種にはとんと疎いです。
特に猫種に至ってはほぼ分からないです。
うちの婦長がそういうのは得意なので彼女に聞いて確かめています。

それはさておき
交雑によって起こる大問題ってのは
一言で言えば奇形ですが
各種類には見られなかった先天的な問題が生じることがあるとのこと。
先天的な問題ですから治療してもおそらく治りません。
それどころか内科治療によるコントロールすら難しいかもしれません。

なんとかって言う長ったらしい名前のついた新種の犬では
脳の障害が報告されているらしいです。
私はまだ診察したことがないですけど。
脳障害というのが脳の病気というか、多分発達障害的な問題らしいんですけど
正直よくわかりません。
もしもそういう問題だとしたら、診断つけるのも苦労するでしょうし
私は全く自信がありませんが
精神科領域は多分これまでの獣医療には無かった分野なんじゃないかなと思うんです。
そういうのは、とは言え相手が動物ですから
獣医師が対応するしかないんでしょうねぇ。

もう一度書きますよ。
私はそういう診断には自信がありません。
どうやって診断を進めていけばいいのかとか
院内の検査で分かるようなものなのかなど
不明なことだらけです。

こういう問題が報告されると言うことは
そのハイブリッドを作った際には誰も予想してなかったでしょうが
人間の思惑一つで不自然な掛け合わせはしないほうがいいでしょうね。

本来存在していなかったものが出てきてしまうって考えると
ちょっと怖いですよ。

純血種がいいとは言いませんが
種の保存を、という点で言えば
現在認められている種類だけで
それ以上増やす、新種を作るってのは
止めたほうがいいんじゃないでしょうかね。
それでなくてもすでに犬種、猫種特有の病気というのは
すでにすでに存在していますから。
これ以上増やすのは止めましょう。

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