岡本動物病院

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院長のブログ

腎臓病を予防できるか。

院長 / つぶやき / 2022.6.30 17:48

原因が様々にある中で、少しでもリスクが減らせられないかと。

猫ではエビデンスがあることですが個人的には犬も一緒だろうと思っているのが

「歯周病」 です。

病原性歯周病菌の有無です。
この歯周病菌が放出する酵素によって
口腔内に様々な悪さをするのは当然ですが
この酵素が血中に入り込んで
それが腎臓へ悪影響を与えます。
猫では既に証明されています。
実際の臨床でもそうだろうなと思わせる症例は多々あります。

犬の腎臓病の場合、これが偶然なのか必然なのか
きちんとしたエビデンスはありませんけど

・高齢犬で
・歯周病があり
・腎臓病を発症 と言うパターンが非常に多いなと思っています。

もちろんこの場合も病原性歯周病菌の有無によって
腎臓病があったりなかったりですから
この細菌の感染は明確にしておかねばなりません。

ただ、病原性歯周病菌が口の中にいて
それが悪さをすることは間違いが無いわけです。
これに対する処置としては歯磨きだけでは到底無理なので
歯周病菌の放出する酵素対策を取らねばなりません。
口腔内の殺菌ができればそれが一番ではありますが
それこそ不可能ですね。

もし口腔内の殺菌が完璧に出来る方法があるならば
人間もそうしたほうが絶対にいいでしょう。
人間には虫歯菌がいますからこいつも一緒に
殺菌できれば最高ですね。


それともう1つ。
こちらは犬でエビデンスがあります。
それは高脂血症です。
それも「中性脂肪」です。
私が知る限り中性脂肪に関しては
長らく放置されていたと思います。
それは犬は基本的に、猫は完全なる肉食動物なので
血中の脂肪分は人間より当然のことながら多くなる、と
教えられていましたから。

しかし近年、高脂血症特に中性脂肪の高い犬で
腎臓内の組織硬化が起こることが証明されました。
個人的には動脈硬化を起こした症例を診た事があるので
腎臓の血管で同様のことが起こり機能低下をおこすということに
何ら異論はありませんし
他の臓器にも同様の悪影響が出ることもあると思います。

治療となると投薬となります。
残念ながら「低脂肪食」を与えたとしても
中性脂肪は下がりません。

腎臓病のリスクを少しでも下げることが出来れば
動物の寿命ももっと延長が期待できるのではないかと
個人的な意見ですけど思っています。

口腔内の処置は外科対応となりますが
中性脂肪は投薬、内科治療となります。

ただ腎臓病となると治りませんし
また治療法も画期的なものはありませんから
元気なうちに対処するほうがいいと思います。

病原性歯周病菌の活性を調べるには
口腔内の検査で可能です。
時間は15分ぐらいです。
中性脂肪は血液検査で分かります。

ちょっとしたことで診断が可能ですよ。

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