これはとても重要なものなのです。
病気治療を行っていて最終的に亡くなった場合
これまでの診断や治療が正しかったのか
他のことを見逃していなかったのか、など
これまでの経過の確認と
いわゆる「答え合わせ」の確認ができるわけで
正直なところ不安もあります。
血液データや画像診断は病巣を直接見ているわけではないので
例えば手術をすると体の中の病巣を直接見ることができ
検査ではわからなかった部分が露になってきます。
胆嚢の手術だと検査ではわからない癒着や
奇形が見つかることも多々ありますし
腫瘍の摘出手術だとその形状や血管増生などが
出てきて手術の難易度が急変することもあります。
また解剖することで本当の死因を見ることが出来ます。
先日久しぶりに解剖する機会がありましたが
その症例は心臓病、腎臓病、クッシング症候群など
多くの疾患がありその治療をしてきました。
それらの診断には自信があったんですが
治療効果はどうだったのか、死因に直結していたのかなど
不安になる要素はありました。
しかし実際に解剖してみて死因は肺炎であることが分かりました。
これまでの治療の効果はあったことも確認でき安心できました。
解剖することを飼い主さんから了承してもらうには
心情的な面でなかなか難しいとは思います。
ただ私は若いころから解剖に同意していただくことが多く
自信のスキルアップに繋がっていますので
本当に感謝しています。
また我が家の動物はすべて解剖を行っています。
その結果として胆嚢炎という病気を知ることができ
また胆嚢炎が体にどのような悪影響を与えるか
例えば臨床症状などとすり合わせが出来ましたので
その後の治療に役立っています。
臨床医は診断し治療をして経過をつぶさに観察していきますが
最終的な答え合わせをして初めて自分のしてきたことの真偽が明確にでき
それが技術や知識の向上につながると思っています。
今後もそのような場面があれば解剖をお願いすることがあると思います。
その節にはどうかご了承いただき真実の解明にご協力いただければ幸いに思います。
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