前回は犬の盗難で今回は
獣医師の資格のない人間が自分でマイクロチップの埋め込みをして、ということらしいですが
この事件にはもう一つ問題があると思います。
それはマイクロチップの入手に関してです。
法律で決まったことなわけですから
獣医師免許を持った人間がその処置を行う、とここまでは当然ですが
ではマイクロチップの器具を入手するルートを
正規のものとしてきちんと確保出てきていたのか?という点で疑問があります。
例えば、今行われている新型コロナのワクチンはどうやって入手するのか。
薬屋さんに言えば、簡単に入手できるのか、というとそうではないでしょう、多分。
新型コロナのワクチン接種が法律に基づいているのかもよくわかりませんが
国主導で行われており感染症の区分もあってワクチンの購入から仕入れのルートは
自治体主体であろうと想像してます。
つまりそれ以外では絶対に入手不可能なのだろう、と思うわけで
では動物に使うマイクロチップの入手経路なんですが
今回の事件を起こした人間の行った処置は数例などというレベルではなく
報道によると100を超えるということでした。
動物病院で行うよりも自分でやった方が金がかからないということだったということですが
どうやってマイクロチップの器具を入手したのだろう?と思いませんか。
実は簡単に入手できるようなんです。
ここに大きな問題と原因があると思うんですよ。
正直なところマイクロチップの挿入自体は誰でもできると思います。
特に今回の件はぶりーだーということで飼い主さんではないので
多分犬に対してさほどの罪悪感もなかったんでしょう。
飼い主さんなら自分の愛犬に大きな注射針を刺すなんてのは
心情的になかなかハードルが高いはずですから。
実際に糖尿病の犬の飼い主さんに自宅で注射をしてもらう際に
いろいろ話をしますが、たいていの飼い主さんは嫌がりますよ。
でもやらないと病気のコントロールが出来ないからと説明して
ようやく実行となりますから。
本県でも昔ペットショップの店主が動物用の薬やらワクチンやら入手して
自分の店で販売した子犬が体調不良になったと連絡を受けて
飼い主さんの家に往診して注射処置をして獣医師法違反で逮捕されたことがありました。
この時は私もその人間に絡まれましたからよく覚えてますよ。
この時の薬やワクチンの入手経路は獣医師でしたが
我々のような動物病院ではなく大動物の獣医師でしたね。
こちらも人間も一緒に逮捕されましたが。
マイクロチップの使用に関してはもっと厳密にする必要があるんじゃないかなと思います。
実施するのは獣医師という大雑把なものではなく動物病院、そこに勤務する獣医師とか
器具の入手に関しては一般の薬や機械の受領書とは別に
署名、押捺を必要とするものにするとか。
改善すべき点がいろいろあるんじゃないかなと思います。
今回のような事件を防ぐには必要なことだと思います。
利権を占有するということではなく、法律に従って実施すべきものであるからこそ
より厳しく制度を整えるということをした方がいいんじゃないかなぁと思うんですよ。
あとはそれを誰がするか、ですけど
そこは獣医師会に丸投げするよりも行政に一役買ってもらう方がいいんじゃないでしょうか。
我々からすればマイクロチップの挿入なんて簡単なことだと思うんですが
今回の事件では少なからず受傷した犬がいたそうですから
技術のない素人が見様見真似で手を出しちゃだめだと思います。
法律ばかり作るのではなく制度もきちんとしておかないと
仏作って魂入れずってことになってしまわないか危惧します。
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