
「早期発見早期治療」が原則です。
他院からの転院事例で一番困るのが心臓疾患の見逃し、治療せずです。
そもそもそれが原因で転院しているわけではないことが多く
「この心臓、何も言われてないの?」
と飼主さんに聞くこと多々です。
前医で飼主さんが言われていることが一番多いセリフが
「まだ治療する時じゃない」 ですが・・・
本当に初期の初期病変であればそれでもいいと思いますが
その代わり定期的にチェックしていかないと病気の進行は止まりませんから
治療開始のタイミングを逸してしまう可能性があります。
実際に当院来院後チェックしてみると
相当悪くなっていることがほとんどです。
何もしていないわけですから当然と言えば当然です。
心臓病、特に老齢性疾患である僧帽弁閉鎖不全症に関して
学会が提唱した基準がありまして、そもそもこれが大問題なわけですが
多分これを参考にして「まだ治療する時じゃない」ということになっているのだろうと
想像だけはします。
しかし日本人には「早期発見早期治療」が当たり前になっていますから
放置しておいていよいよ悪くなってから、さあ治療しましょうというのは
性に合わないです。
僧帽弁閉鎖不全症の診断基準と治療については
学会があ〜だこ〜だと言ってますけど
この疾患には歴史があるわけです。
少なくともこの30年の歴史を知らずして「まだ治療の時じゃない」と
言ってちゃダメだろうなと思います。
また診断方法についてですが順番と優先順位がありまして
それはここでは割愛しますけど、現状一番重要なのは
画像検査で、これは心臓エコー検査と心臓レントゲン検査です。
エコー検査をしないと弁の閉鎖不全と血液逆流は分かりません。
レントゲン検査をしないと「心臓の大きさ」変化が分かりません。
これらの検査をして病態の程度が分かるわけです。
病態の程度が分かればその病態に応じた投薬治療プログラムが組めるわけです。
ぶっちゃけ話です。
心臓エコー検査は難しいです。
これを完璧にこなすには修練が必要です。
ちょっとやそっと本を読んだ程度では出来るようにはなりません。
そしてもう一つ。
エコー検査は飼い主さんの目の前でした方がいいです。
その方が説明するに伝えやすいですし
飼主さんもわかりやすいでしょうから。
ただ飼主さんの目の前で検査するというのは
よほど自信がないと出来ないでしょうけど。
そしてその結果の画像、つまり写真なりコピーなりを
印刷して飼主さんに渡すこと、です。
他院からの転院事例で、エコー検査やレントゲン検査はした、と言われてても
実際に画像を見せてもらったことは全くと言っていいほどないですね。
エコー検査はした、と言われていて
こちらで検査してみるととんでもなく悪い状態という場合
「ほんとにしたの?」と思わざるを得ないです。
もちろん飼主さんが悪いんじゃないですよ。
検査したって言われているわけですから
検査したんならその証拠をお渡しなさいということなんです。
情報の共有です。
それは他院の獣医師とではなく
目の前の飼い主さんとそこの獣医師との、です。
そして心臓病に関しては、ホントの初期の初期なら経過観察として
その後の定期検査を行い治療開始タイミングを見逃さないことが重要ですけど
基本的には「早期開始」するべきだと思います。
進行性疾患ですから。
学会が提唱していることの一部だけ引用していると
取り返しのつかないことになりかねません。
自分で責任をもって診断、治療とすればいいんです。
と思います。
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