
厳密に分ける、というより受けた教育の違うなのかなぁと
私が教わったのは
補液・・・皮下へ行う
点滴・・・血管(静脈内)に行う
というのものです。
そもそも目的が違います。
補液の目的は「水分補充」です。
点滴の目的は「水分補充+治療」です。
水分補充は共通ですけど吸収速度が違います。
吸収というのは最終的に血管内に取り込まれることですが
補液の場合は皮下ですのでそこに入れてから周囲の血管内に
取り込まれるまでタイムラグがあります。
これに対して点滴はダイレクトに血管に入れるので
投与=吸収となります。つまり即効性です。
例えば脱水が酷く危険な状態だとすれば
点滴を行います。
早急に水分補充を行わないと生命にかかわります。
またそんな状況で皮下補液では
間に合わないかもしれません。
皆さんもテレビドラマなどで見たことあると思いますが
救急車で緊急搬送された患者は静脈内点滴をする、というのを。
皮下補液なんぞしている場合じゃない、ってことです。
おそらく皮下補液という処置は動物病院ならではなのかもしれませんが
この方法が全くダメ、という事ではないんですよ。
ただ補液と点滴では使える薬が違ってきますからここは要注意です。
もっとも飼い主さんはわからないですから獣医師に伝えたいところです。
補液や点滴に使う輸液剤、これはほぼ共通ですが
中に入れる薬剤で、皮下に入れてはダメ、血管内でないダメ、というものが多々あります。
とあるセミナーで会場から質問がでてまして
点滴治療の際に使う薬剤の中にブドウ糖を使うんですが
その投与経路についての質問でした。
質問者はは「皮下点滴」という言葉を使っていましたが
ブドウ糖は皮下投与は禁忌です。使っちゃダメなんです。
理由は「皮膚が腐る可能性がある」からです。
講演は大学の名誉教授の方で、私より上の年齢の方でしたが
非常に気を使って答えておられましたが
ブドウ糖は皮下に投与してはダメ、というのはしっかりとした口調で仰ってました。
ダメなものはダメ、と明言しなくちゃダメですから。
そして言葉を選んでおられるなぁと思いつつ聞いていましたが
最終的にはきっぱりと「点滴で使う」と仰ってました。
つまり点滴=静脈内投与ということなんですね。
質問者は多分40代だと思います。
この人は普段から皮下補液をバンバンやっているんでしょう。
もしかするとブドウ糖も日常的に入れてるのかもしれません。
しかしこれは皮下投与しちゃダメ、というのは私からすれば常識なんです。
とは言え私もかつて目の前でそれをしようとした獣医を知ってます。
受けた教育が違うんだろうな、と思いました。
静脈内投与しかダメです、というのは薬剤の添付文書に明記されています。
どうもこの添付文書を読んでないんじゃないかなぁと思うんですが
そういう人って結構多いですね。
そんなの読まなくてもいい、と思っているんなら大問題なんですが
使用禁忌というのは必ず書かれています。
もしもそれを無視してもしもトラブルが起こったらどうするんでしょうね。
食事がとれなくて痩せてしまっている状態の動物の治療として
静脈を確保して点滴をします。
そしてブドウ糖などの栄養剤を使用しますが、ブドウ糖の他アミノ酸製剤もよく使いますが
これも静脈以外の投与は禁忌です。
また脂肪乳剤の点滴もあります。
これも当然静脈内投与だけとなっています。
点滴の場合には使える薬剤のバリエーションが多くなり
治療効率が良いという事になります。
補液と点滴のメリットデメリットとしては
通院で可能、入院が必要という事もありますね。
補液は必ずしも入院は必要ないです。
時間も5〜10分かからないですから。
点滴は機械を使って投与量、投与速度など状態に応じて
調整しますので入院となります。
稀に朝預かって点滴をして夕方以降迎えに来てもらうという事も可能ではあります。
補液と点滴は似て非なるものとまでは言いませんけど
目的と方法は違うものと考えるべきでしょうし
また正確に分けて考えないといけないでしょうね。
どうも中には混同している病院もあるようなので
転院された場合、聞き取りをしている際に、どういう事だろうと
悩むこともありますから。
それぞれの違いを統一した方が良いと思いますが
個人的には全く違うと理解してますので
周知徹底して欲しいと思います。
| comments (1) |
愛猫の点滴治療をありがとうございました。先生に何度も説明させてすみませんでした。あとでこのブログを読んだ次第です。これからもよろしくお願いします。
水間久美子 / 2024.10.26 07:01
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