
今では色々な機械がありまして、詳しく調べることが出来ますが
やはり「アナログ」なものの方がいいですね。
まずは、珍しいもの(?)をお見せしましょう。
ハートを見つけてください。
これは、犬の血液塗抹標本です。
採血して、検査機械に入れた残りで標本を作り、染色しています。
中央やや右上に、周りの物よりちょっと大きな細胞が或るのがわかりますか?
これは白血球で、好中球分葉核と言います。
ちなみに、周りの小さな丸い細胞は赤血球です。
白血球は「体を守る」細胞です。
その中の1つである好中球は「細菌感染」から身を守ってくれます。
細菌を見つけると「パクッ」と食べて体内に取り込んで、それを溶かして処理します。
しかし、時には細菌に負けてしまうことがあります。
それがこの標本中の白血球なんです。
ハートの形に見えますが、実はこれ「中毒性変性」と言われる状態で
白血球が細菌の毒素に負けているんです。
つまり、体に重度な細菌感染がある、可能性を示しているんです。
なので、ハート形でありながら、全然ハッピーじゃないんですね。
こういう変化は、どんな優秀な機械でもこれを確認することは出来ません。
標本を作って染色しないとわからないんですね。
ちなみに、この犬はその後の追加検査の結果、「急性化膿性胆管肝炎」と言う病気であることがわかりました。
治療の要は、抗生物質投与となりますが、ただ抗生物質を投与すればいいと言うものではなく
中毒性、ですからそちらの対処も行わないとダメなんですね。
こういった細かなことを見極めないと有効な治療にならないんです。
機械化されることは非常に素晴らしいんですけど
アナログ検査を怠ってはだめだ、と言う症例です。
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