
国語の問題ではありません。
先日のセミナーにて、講師の先生が学生相手に「慢性疾患とはどういう意味か?」と問うたそうです。
国語の問題ならば「経過の長い疾患」ということになりますが、臨床の現場ではそういう意味ではない、と。
『慢性疾患とは治らない疾患のことである』
漠然と感じてはいましたが、スパ〜んと袈裟斬りにされましたね。
飼い主さんにはショッキングなことでしょうでしょうが・・・事実です。
慢性心臓病・慢性腎臓病・慢性皮膚炎など、慢性と称される疾患は実はたくさんあります。
これらは全て完治は見込めず・・・しかし緩和治療を行いますね。
それがQOL(生活の質を守る)を守るための大変重要なことです。
慢性に対して急性疾患というのがありますが、こちらは治療がうまくいけば治ります。
これは「早期発見早期治療」ということにもつながるんでしょうね。
私が積極的に取り組んでいる「胆嚢炎」も慢性疾患です。
残念ながら、世間の認知はまだまだ低いですが、私が診る胆嚢炎は全て「慢性胆嚢炎」です。
だから薬の治療では治らないわけですが、ただ胆嚢炎は手術で完治しますね。
慢性心不全や慢性腎不全も、手術で完治できるものであるものの、動物では多くは難しいでしょう。
人間ならば「臓器移植」という方法で完治となるんでしょうけどね。
慢性疾患は内科治療で症状を抑えるあるいは進行をできるだけゆっくりにすることをします。
手術では悪いところを根本的に摘出するあるいは交換する、ということです。
ただ、人間では出来る手術が動物でできるとは限らないですね。
我々獣医師は、まずは治すことを目標にします。
しかし「慢性化」している場合には、次の目標である緩和治療を目指します。
理想的には「全ての疾患の完治」ですけど・・・
慢性化となる前に病気の芽を摘んでしまうことができれば、一番いいんですけどねぇ・・・
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