岡本動物病院

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院長のブログ

血圧

院長 / つぶやき / 2015.2.18 09:10

人も動物も血圧は重要です。

血圧というのは「血管の中を流れている血液が、血管壁を押す力」のことですが
それは心臓が血液を送り出す力や量あるいは血管の柔軟性などに左右されます。

血圧は「上」と「下」があるのはご存知だと思いますが、下はさておき
重要視されるのは「上」の方の数字で、正常値以上になると「高血圧」と言われますね。
動物の場合、上の上限は160mmHgとされています。
ただ、動物の場合の血圧測定は非常に難しいんです。
まず、動物が落ち着かないとダメですね。
興奮してたり、動き回ったりするとちゃんと測れません。
人でも「病院で測ると高めになる」と言われますが、これは「白衣高血圧」と言われてますね。
白衣を着ている人(医者)の前に立つと緊張してしまい、血管が収縮するために血圧が高くなるというものです。
動物の場合、白衣を見て緊張するというより、病院に居る、というだけで普通は緊張しますね。
何度も病院に来ている動物は慣れてくれていることも多いのでその場合の測定はやりやすいです(笑)

血圧測定が重要とされるのは、まずは心臓病。
心臓病の場合、進行してくると高血圧状態となることが多々あります。
そもそも心臓病の治療薬のメインは「血圧調整剤」または「降圧剤」です。
これらを使って心臓の負担を軽減します。
心臓病になると血液の流れが異常になり、最終的には肺内で血液の流れの停滞が起こり
肺内の血圧が上昇してきて、咳や肺水腫などの症状を起こすようになるのですが
この時に実際に血圧が高くなっているというのが明確になれば今までよりさらに血圧を下げる薬を使わなくてはいけません。
ただし、そこまで血圧が上がっていない場合に、そのような薬を使うと低血圧となり、ふらついたり立てなくなったりします。
また、腎臓病でも高血圧が起こってきます。
こちらも病態の進行に伴って高血圧が見られるようになるのですが、腎臓は高血圧によってさらに病態が進行することが分かっていますので
高血圧となったらすぐに降圧剤の投与をする必要があります。
心臓病も腎臓病も元には戻りません。つまり治らないのです。
そのため早期に異常を検知して処置を行う必要があります。

先日、腎臓病の治療薬として新薬が発売されました。
メーカーさんが言うには「発売以来予想以上の売れ行きである」とのことでしたが・・・
これも高血圧の改善薬です。
そのため血圧が高くなっていないと投薬の意味がありません。
当院でも「腎臓性高血圧」の動物はいますけど、今のところそこまで多くはないですね。
高血圧にならないように処置をしているせいもありますが・・・
新薬が出ると「これで治るんだ」という誤解もあるのかな、と思います。
今回の薬についてはメーカーの説明会に出かけてましたのでよくよく理解しています、が
今のところ使う予定はないですねぇ。

血圧測定の重要性が言われるようになってからしばらく時間が経っています。
そのため色々な形の測定器が販売されています。
本格的な機械は正確ではあるが高価。
簡易式の機械は安価ではあるけれど測定数値が不安定、と一長一短あります。
それでも何らかの方法で血圧を測定することは大変重要だと思いますね。
近い将来、「普通の検査」となることを期待しています。

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