
思いもかけず、という点でこういう言葉を使うときがあります。
とは言え、私が使うのは決していい時のことばかりではないですね。
元々の症状から原因を探っている最中に別の病気を見つけたとか
健康診断の際に、予想もしていなかった臓器に異常が見つかったとか。
こういう場合、考えようによっては「未然に防ぐ」ことができるので、案外いいことかもしれません。
ただ、飼い主さんからすれば青天の霹靂となりますかねぇ。
しかし中には「薄々変だなと思ってました」という慧眼の飼い主さんもいらっしゃいます。
先だっても「健康診断」ということで来院され、順序通り検査を行っていたら
腹腔内に大きな腫瘍を見つけ、そのことを伝えると
「お腹が大きくなったな、と思ってましたから」
あっさりとそう言われて却ってこちらがびっくりしたことがありました。
よくよく聞いてみると、お腹が大きくなったなと気づいて病院を受診したものの
数件の病院で同じことを言われた、とのことでしたが、それは・・・
「太ったからです」
まあ、確かに太ってはいましたけどね。
太っているというのは、皮下脂肪と内臓脂肪の増加・増量があるはずです。
皮下脂肪なら触診で充分わかりますが、内臓脂肪は触ってもわかりません。
というより、動物の場合、肥満状態で皮下脂肪が少なくて内臓脂肪のみ多いなんてことはありませんから。
お腹が大きいという場合、メスなら子宮が大きくなったとき。
例えば妊娠、あるいは子宮疾患など考えます。
過去には妊娠していると思ったら、実は子宮蓄膿症だった、なんてこともありました。
性別に関係がなければ、腹水が溜まった時もお腹は大きくなります。
ただ、その場合は病気ですから、痩せているはずなんです。
つまり皮下脂肪がなくなっていてもおかしくないんです。
そして、今回のように腹腔内に腫瘍ができている場合も当然お腹は大きくなります。
ある犬が「体を痒がっている」ということで来院しました。
確かに腹部の皮膚に軽度な炎症反応がありました。
しかしそれは古いもので、今現在の掻痒とは関係ないように見えました。
そこで周りに注意を広げてみると、外陰部の汚れが気になりました。
通常、その周囲が汚れている場合には下痢・頻尿などがないか、確認します。
飼い主さんが言うには「ない」とのこと。
しかしどうしても気になるのでエコーで確認すると、膀胱結石が見つかりました。
実は頻尿もあったんです。
しかし飼い主さんはその頻尿が「当たり前」と思ってたわけです。
なぜか?
随分前からその兆候があったからですね。
こういうことも多々あります。
元気だと思っていたら、実は・・・
そういうわずかな兆候を見逃さないことが臨床医の役目だと思います。
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