
前々から思っていたことですけど。
皮下補液とは、点滴用剤を血管ではなく皮膚の下へ注入する治療方法です。
その目的は「水分補充」だけです。
例えば栄養剤の添加は、ビタミン剤は可能ですが、アミノ酸製剤やブドウ糖は禁忌です。
以前、皮下補液にアミノ酸製剤を入れている獣医がいまして
それは禁忌だよと話しましたら「?」という返答でした。
どこで習ったのか知りませんが「そういうふうに習ったから」という返事がありまして
なぜ禁忌なのかを知らなかったんですね。
まあ、理由を知らなくてもいいですけど、薬の説明書を見ればそこにちゃんと書いてあります。
意外に思われるでしょうけど、薬の説明書を読まずに使用している事例というのは非常に多いと思います。
人の方で、ある抗がん剤の誤った使用(1週間に1回を毎日投与)をして患者さんが亡くなったとか
最近では子供に使ってはならない麻酔・鎮静薬を使用してこれも患者さんが亡くなってます。
また、皮下補液は水分補充という点では有用な治療法ですが
例えばうっ血性心不全の場合には要注意です。
うっ血性心不全になっていると肺内に血液が溜まっていますから
静脈内に水分を補充するようなことをするとうっ血がさらに悪化して
終いには肺水腫を引き起こす可能性があります。
時にうっ血性心不全と脱水が混在している場合もあります。
こういう場合には水分補充とともに利尿剤を併用して、体の水分量を正常化することもあります。
ただ、コントロールは非常に難しですが。
最近聞いたのでは「食事を食べないから皮下補液」というのがありました。
1食食べなかったぐらいで脱水は普通起こりません。
それで皮下補液、つまり水分補充は治療として正しいとは言えないでしょう。
なぜなら「どうして食べないのか?」という原因によりけりだからです。
もしそれがうっ血性心不全の悪化なら先ほど書いたような事が起こるかもしれません。
また腸閉塞だったら、皮下補液程度ではなく血管確保をして静脈内に持続的に行わなければ意味がありません。
ちなみにその食べなかった症例の理由は「膝が痛くて」食べなかっただけでした。
鎮痛処置だけでOKだったわけです。
とりあえずという日本語は便利だなとは思いますが、治療の現場ではあまり安易に使うべき言葉ではないような気がします。
なぜ?という理由を明確にしてからなら、皮下補液は本当に有用な治療ですが。
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