これは普通の事です。
どんな犬でも条件が揃えば噛みますよ、と病院では話をしています。
だから検査の際にはエリザベスカラーを装着します。
他の病院から転院された方の場合、この風景を見て「引く」人もいます。
そんな時には「お互いの安全のためですよ」と説明します。
前の病院では大人しかった、と言う場合もあれば
前の病院では暴れて大変だったという場合もあります。
どちらであったにせよ、当院では私もスタッフも動物も飼い主さんも
初対面ですからお互いの「中身」はわかりません。
力ずくで抑えるのは本意ではありませんので
エリザベスカラーを装着して、出来るだけ時間をかけずに検査をしたいわけです。
猫でもエリザベスカラーを装着します。
ただ、猫の武器は犬の牙と違って爪ですので
エリザベスカラーだけでは防ぐことが出来ません。
しかし・・・
犬も猫もエリザベスカラーを装着することで
「視界を妨げる効果」があり、これによって体のコントロールが可能となるんです。
エリザベスカラーはお互いの安全のためと書きましたが
これは動物にとっては「痛くもかゆくも」ないものです。
首を絞めているわけでもありません。
これを発明した人はよほど動物の行動・心理を読み解いた人だと思います。
たったこれだけの装備でいろんなことが可能となるわけですから。
昔、エリザベスカラーを使っていなかった頃は
しばしば噛まれましたし、引っ掻かれました。
犬の牙の威力は皮膚表面ではなく内部で炸裂します。
皮膚はちょっと赤くなるだけですが、内部つまり筋肉や血管が「千切れます」から
ものすごく痛いんです。
しかも甘噛みではなく本気噛みですから、飼い主さんは経験しない痛みです。
猫のひっかき傷は皮膚が「切れます」ので
痛みは大したことないんですが出血がなかなか止まりません。
しかもいずれの傷も一生残ります。
時間とともに薄くはなりますが残ります。
動物病院で働く我々にも親がいます。
親は子供仕事に理解をしてくれますが
我が子が体につけた傷を見て何とも思わないわけがありません。
まして女の子ならなおさらでしょう。
本人は「大丈夫だよ」と言いますが家族はそうではないですね。
そして咬みついた犬を、暴れて引っ掻いた猫を
「この野郎」と思うことがあったとしても「可愛いね」とはならないですよね。
おびえてやらかしたんなら「仕方ない」と思えますが
時には本気で攻撃しかけてくる動物もいますから
身体を抑えるのはある意味「命がけ」なんです。
動物の方もきっとそうでしょう。
「こいつに触られてたまるか」と思っているなら
本気でかかってきますよね。
検査が必要な場合は病気か怪我があるわけで
いわゆる「手負い」の状態です。
その時にしなければならないわけですから
「お互いの安全」をまず第一に考えなければならないわけです。
そして「条件さえそろえば」噛む・引っ掻くというのは
動物側からすれば自分を守るためには「当たり前」なんです。
| comments (2) |
かなり大きめのものを使えば効果的かもしれません。
ただやはり散歩中に目を離さないことが重要だと思います。
岡本宏之 / 2023.10.14 16:10
| EMAIL | URL | 6B9LPF.6 |
このサイトはjavascriptを有効にしてご覧ください。また読み込みにお時間がかかる場合がございます。
当院は診療料金を現金の他、クレジットカード(VISA・MASTER)、WAONで支払いいただけます。
※支払い回数は1回のみです。
※WAONのチャージはできません。